Place κ IF 後編 �� ページ33
シェアハウスに帰ると、「どこをほっつき歩いていたのだ！」と、玄関で仁王立ちする茉莉に叱られた。この世界の“理玖”には干渉していないと、説明をすると、「まあいい」とため息交じりに奥へと案内される。
客間には天照が座っており、理玖は苦手な正座をして改まった。
「直入に言う――君は、元の世界に帰れるよ」
「本当ですか？！」
共に部屋に呼ばれたアリサと鈴花も安どの表情を浮かべた。
「初めに説明した通り、君はこの世界とは時空の異なる“並行世界”から、何らかの力の干渉を受けて転移させられたようだ。今なら、生じた時空の歪みを使って君を戻すことができるだろう。ただ、二つの世界は時間軸が同じ。こちらで過ごした時間が長くなればなる程、向こうでも時間が過ぎ、戻す為の歪みが大きくなってしまう」
理玖は膝の上で拳を握り、決意したように頷いた。
「戻ります―――。ここでは、俺は異端者。俺が居る事で、こっちの世界に影響を及ぼすわけにはいきませんから」
「ふむ…わたしも茉莉も、それが良いという結論に至っている」
隣に座る茉莉も、小さく頷いた。
「心が決まっているのなら、歪みによる影響を最小に抑えるために、早いに越したことはない…早速だが、準備を始める。いいね？」
「はい」
スッと立ち上がる理玖の肘を、茉莉が掴んだ。
「良いのか？最後に白檀に合わなくて…」
「大丈夫だよ、茉莉さん。むしろ、会わない方が良い――」
「そうか……」
「後のフォローを頼みます、茉莉さん。白姉、ああ見えてけっこう繊細だから、要らない事で悩んでしまいそうで」
「―――そうだな、分かった。こちらの白檀の事は、あたしが任されよう。君が早く戻らないと、向こうの白檀が、心配して慌てていそうだ―――」
「あはは…そうですね」
理玖と茉莉は、顔を見合わせて苦笑いを浮かべた。
両手で印を結び、天照が術を発動させると、理玖の足元に、光の環が浮かんだ。
「帰るんだね？水神君―――」
少し寂しそうに微笑する鈴花は、やっぱり可愛い。
だけど、この世界の鈴花は理玖の許嫁でもなければ、やがて他の男と恋をするだろう。
――― 一時の感情で、“俺”が彼女に介入すべきでない。彼女だけでなく、この世界の全てにとって……“俺”は必要のない存在だ。
分かってはいるが……。
理玖は伸ばした手で鈴花の頬に触れた。
驚いたように、水色の瞳をまるくさせる鈴花に、少しの寂しさを感じた。
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kohaku(プロフ) - 深影/ミカゲさん» リクエスト、有難うございます！最終回後、七夕とクリスマスネタ、書かせて頂きますね！ (2021年2月21日 22時) (
レス) id: d6f223475b (このIDを非表示/違反報告)
深影/ミカゲ - 最終回…楽しみ過ぎます…！思わず見入っていました……リクエストさせて頂きます。季節ネタで、七夕とクリスマスをお願いしたいです！ (2021年2月21日 21時) (レス) id: ba68ca19cc (このIDを非表示/違反報告)
kohaku(プロフ) - 名無しのチートさん» リクエスト、有難うございます！最終回後はリクエストに専念しようと思います！節分＆コロナネタ、書かせて頂きますね！ (2021年2月21日 21時) (レス) id: d6f223475b (このIDを非表示/違反報告)
名無しのチート(プロフ) - kohakuさん» 最終回が楽しみですっ！(余りの凄さに鳥肌たちますた...！) 節分ネタとコロナネタが見てみたいです (2021年2月21日 21時) (レス) id: 221a08961c (このIDを非表示/違反報告)
名無しのチート(プロフ) - kohakuさん» 了解です！(*´∀｀) (2021年2月20日 22時) (レス) id: 221a08961c (このIDを非表示/違反報告)
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