Place ι 一番星 中編 �� ページ16
水色の瞳から、涙がこぼれる。
祓い刀を持つ手の力が一瞬ゆるみ、その隙を、理玖は見逃してはくれなかった。
鈴花の手から、払い除けられた祓い刀は、理玖の後方の土を抉り刺さった。
体術で彼に勝てるはずがない…術の詠唱する時間なんて、理玖が許すはずがない
私じゃ―――理玖には勝てない…
下を向いたまま、ぎゅっとスカートを握り締めた。
体力ゲージを削る為の技の衝撃が、いつまでたっても襲ってこない事を不思議に思った鈴花は、恐る恐ると顔を上げる。
「ずるいな…鈴花」
後方に落ちた鈴花の祓い刀を取りに行く、無防備な理玖の背中。
そして、手にした刀を呆気なく鈴花に差し出した。
「怒っても、笑っても、あざとい色気仕掛けを向けられても、今日だけは絶対揺らがないぞって、決めてたのに―――泣かれると、やっぱ無理だ」
「理玖―――？」
「俺を斬っていいよ―――鈴花」
祓い刀を握った鈴花の手に自分の手を添え、理玖は自らの首元へと誘導する。
ドクンと大きく胸が鳴り、腕を引こうと力を込めるが、理玖の手がそれを許さない。
「泣いてる鈴花を―――俺は斬れないから。せめて、鈴の手で終らせて―――？」
理玖の首へと引き寄せられる腕に、鈴花の力では抗えない。
祓い刀があてられた理玖の首に、赤いダメージラインが抉っていく。
嫌だ…
嫌だよ―――理玖
終わりなんて、言わないで……
「―――っリザイン(降参)！！！」
鈴花の叫び声と同時に、理玖の視界に“Winner”の文字が浮かぶ。
鈴花の視界には2位を告げる“finish second”の文字が浮かび、場に不釣り合いなファンファーレが、武闘会の終わりを告げた。
「―――どうして……」
祓い刀を手放し、その場に脱力して座り込む鈴花を、支える理玖は、真っ赤に眼を腫らし、ぼろぼろと涙をこぼす鈴花の顔を、覗き込んだ。
「ズルいのは―――理玖君の方…。斬れるわけないじゃない」
「―――……。全く、優しいなぁ、鈴花は」
外部に接続されたモニターが切られ、大会を終えた二人の意識が現実世界に引き戻される刹那…理玖は哀し気に微笑みながら、鈴花の額に口付けた。
「泣かせて―――ごめんね…」と、言葉を残して―――
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kohaku(プロフ) - 深影/ミカゲさん» リクエスト、有難うございます！最終回後、七夕とクリスマスネタ、書かせて頂きますね！ (2021年2月21日 22時) (
レス) id: d6f223475b (このIDを非表示/違反報告)
深影/ミカゲ - 最終回…楽しみ過ぎます…！思わず見入っていました……リクエストさせて頂きます。季節ネタで、七夕とクリスマスをお願いしたいです！ (2021年2月21日 21時) (レス) id: ba68ca19cc (このIDを非表示/違反報告)
kohaku(プロフ) - 名無しのチートさん» リクエスト、有難うございます！最終回後はリクエストに専念しようと思います！節分＆コロナネタ、書かせて頂きますね！ (2021年2月21日 21時) (レス) id: d6f223475b (このIDを非表示/違反報告)
名無しのチート(プロフ) - kohakuさん» 最終回が楽しみですっ！(余りの凄さに鳥肌たちますた...！) 節分ネタとコロナネタが見てみたいです (2021年2月21日 21時) (レス) id: 221a08961c (このIDを非表示/違反報告)
名無しのチート(プロフ) - kohakuさん» 了解です！(*´∀｀) (2021年2月20日 22時) (レス) id: 221a08961c (このIDを非表示/違反報告)
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