Place 38 太陽の届かない場所 �� ページ48
彼女の足元で蠢く“影”に気を配りながら、いつもよりも慎重に、言葉を選ぶ理玖。ランと共に在る影を刺激しないように…これ以上情報も与えないように。そして、こちらの緊張を悟らせないように注意しながら、出来る限り自然に、必要な情報だけを、彼女の口から聞き出していく。
「ここがどこかは分からないけど―――俺達をここから出してくれないか？」
「―――……」
ランはちらりと後ろの“影”に視線を送った。彼女の後ろで、影が蠢く。
「“影”が何をしたいのかは分からないが、俺とランをここに閉じ込めていても、お前にとってメリットはないだろ？折角人間の身体を得て、祓い屋本部や養成学校の動向も探れる位置を手に入れたんだ…。こんな暗いところに閉じこもっていちゃ、これから先の情報を得る事も、その情報を得てメレッド達を動かして成し遂げようとした目的も果たせないんじゃないのか？」
理玖の言葉に反応するように、影が再び蠢いた。
予想はしていたが、この“影”は人の言葉を理解している―――そのうえで、自ら考えて行動できる高位の妖だ。理玖としても、抜け出す方法の解らないこんな場所で、影やランとの戦闘は避けたい。
(クラス分けをするのなら、確実にコイツ(影)はXクラスだ…俺が一人で祓える相手じゃない―――)
「―――……」
「ランは―――“影”とどうやって意思疎通をしているんだ？」
理玖は、影の様子を伺う様に無言のランに問いかける。
「ああ、頭に直接語りかけてくる…頭が繋がったような―――精神感応に近い感じだ」
「成る程―――」
(ならば、“影”とコンタクトを取るには、ラン(契約者)を通さなければならないと言う事か)
直接“影”だけ…もしくはランだけに話が出来るのなら、それぞれに訊かせたくないような会話で誘導し、もっと踏み込んだ作戦も取れるのだが。
―――互いを刺激しないように言葉に気を遣うし、厄介だな。
この状況をどう打開すべきか―――考え込み、言葉をなくしていた理玖の様子を、伺うラン。
「理玖―――怒って…いるよな」
「そりゃ―――怒っているけど(本心は、メチャクチャな…)」
だが、それを面に出し、“影”と繋がっているランの機嫌を損ねるのは得策ではない。少なからず、事を起こすのはこの場所から脱出出来てからだ。
理玖は苛立ちを表情に出さぬようにと、神経を尖らせた。
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名無しのチート(プロフ) - kohakuさん» 了解です！ (2021年2月14日 22時) (
レス) id: 221a08961c (このIDを非表示/違反報告)
kohaku(プロフ) - 桜雲さん» リクエスト有難うございます！そして毎度、鈴花さんを我が子のように登場させて頂いており、感謝しております！！是非書かせて頂きます！ (2021年2月14日 22時) (レス) id: d6f223475b (このIDを非表示/違反報告)
kohaku(プロフ) - 名無しのチートさん» ご指摘有難うございます！右手記載のあった2か所を修正させて頂きました。また気になる点がありましたら、ご指摘下さい！ (2021年2月14日 22時) (レス) id: d6f223475b (このIDを非表示/違反報告)
桜雲(プロフ) - いつも楽しく拝見させていただいています！リクエストなのですが、もしよろしければ鈴花vs理玖さんが見たいです！お体に気を付けて頑張ってください (2021年2月14日 22時) (レス) id: a765f4403f (このIDを非表示/違反報告)
名無しのチート(プロフ) - kohakuさん» すみません...すっごい言い忘れてました...サンズ左利きです......(すごい今更感) (2021年2月14日 21時) (レス) id: 221a08961c (このIDを非表示/違反報告)
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