Place ε Mission Impossibl 〜鬼ごっこ〜（リクエスト） �� ページ27
事件は、ひょんなことから始まった。
理玖と鈴花を学校へと見送った茉莉は、そろそろ昼食の準備を始めようと台所に戻って来た。シェアハウスの大きなダイニングテーブルにちょこんと置き忘れられたお弁当箱に目が留まる。
「なんだ…くりーむころっけが食べたいというからせっかく弁当を作ったのに、二人して仲良く忘れて行ったのか？」
朝の様子を思い出す…
いや、弁当袋に水筒だけを入れて渡したのは、茉莉の方だ。
「しまった、肝心の弁当を入れ忘れていたのか！！」
ダイニングで一人頭を抱える茉莉の後ろから、ひょっこりと天照が顔を出した。
「茉莉―――今日のお昼ご飯に悩んでいるのかい？」
「アマテラスか…。いや、昼食はくりーむころっけを揚げようと思っているのだが、理玖達に弁当を渡し忘れたことに気がついてね」
ふと時計を見ると、11時半。もう直ぐ学校が昼休憩に入る。
このままでは弁当袋の中に、弁当が入っていないと、二人が慌ててしまうだろう。
「アマテラス、すまないが二人に弁当を届けてくれないか？私は皆の分のころっけを、揚げねばならないから」
「ふむ、良いですよ―――」
紙袋に二つのお弁当を入れ、天照に渡す茉莉。
紙袋を受け取ると、天照はダイニングルームを出ていった。
長い廊下を鼻歌交じりに玄関へと向かう天照に、シェアハウスの住人、サンズが声を掛けた。
「随分とご機嫌だな？アマテラス」
「やあ、サンズ！今日の昼ごはんは、クリームコロッケらしいよ？」
「ほぉ〜それは楽しみだぜ！」
サンズも、そのサクサクの衣と濃厚なクリームの味を想像して、口を綻ばせた。
(ケチャップをたっぷりかければもっと美味しいだろうなぁ)
「そうだサンズ。食事までの運動に、一つ頼まれ事を引き受けてくれないか？」
「頼まれ事？」
そう！と、微笑む天照。
「これを、祓い屋養成学校にいる理玖と鈴花に届けて欲しいんだ。昼休みが終わるまでに、ね」
「お…オイラが、か？」
サンズは顔をしかめた。彼は人間が嫌いである…人間ばかりがいる祓い屋養成学校に使いに行くなど面倒事の何物でもないが、世話になっている天照の頼み事とあれば引き受けないわけには行かない。そして、天照を祓い屋養成学校に向わせる事にも若干の不安がよぎった。
(コイツが行くよりかは、マシか―――)
こうして、サンズは紙袋を受け取り、しぶしぶと祓い屋養成学校へと向かった。
Place ε Mission Impossibl 〜鬼ごっこ〜 �□�←Place δ Horizontal （ リクエスト） ��
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 2人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
名無しのチート(プロフ) - kohakuさん» 了解です！ (2021年2月14日 22時) (
レス) id: 221a08961c (このIDを非表示/違反報告)
kohaku(プロフ) - 桜雲さん» リクエスト有難うございます！そして毎度、鈴花さんを我が子のように登場させて頂いており、感謝しております！！是非書かせて頂きます！ (2021年2月14日 22時) (レス) id: d6f223475b (このIDを非表示/違反報告)
kohaku(プロフ) - 名無しのチートさん» ご指摘有難うございます！右手記載のあった2か所を修正させて頂きました。また気になる点がありましたら、ご指摘下さい！ (2021年2月14日 22時) (レス) id: d6f223475b (このIDを非表示/違反報告)
桜雲(プロフ) - いつも楽しく拝見させていただいています！リクエストなのですが、もしよろしければ鈴花vs理玖さんが見たいです！お体に気を付けて頑張ってください (2021年2月14日 22時) (レス) id: a765f4403f (このIDを非表示/違反報告)
名無しのチート(プロフ) - kohakuさん» すみません...すっごい言い忘れてました...サンズ左利きです......(すごい今更感) (2021年2月14日 21時) (レス) id: 221a08961c (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
