Place δ Horizontal （ リクエスト） �� ページ20
こちらの宴会がどれだけうるさく盛り上がろうとも、あちらの波音が声をかき消そうとも、遊び組の方には理玖がいる。大して声を張り上げなくても、しっかり聞き取った理玖が手を振った。
「……地獄耳だな」
ぼそりと呟いたサンズの声ですら、しっかり拾われている。
「聞こえてるから！！！サンズ！！！」
波音に負けない大声で、理玖の声が飛ぶ。
「あーはいはい…」
(あれだけ耳が良いと、それはそれで鬱陶しいだろうな……。人間には、聴きたくない事や聴こえなくてもいい事もあるってのに。意識しなくても全部、聞こえちまうなんてな―――)
サンズは向こうから走ってくる4人を、目を細めて見守った。
・
・
・
「んん〜っ！ビーチで食べるアイスは格別ね！」
「うむ！程よく体が冷やされて良い！」
「本当に！」
食後のデザートは別腹とアイスを頬張る女性陣の横で、まだ飲み足りないと酒瓶を開ける天照。アルコールの香りに釣られ、アリサもマイグラスを差し出した。
(コイツ、アマテラスに酌をさせてるよ……)
苦笑いを見せた理玖に、並々と注がれたグラスを差し出したアリサ。
「なんだ？理玖も…飲みたい？」
「俺はこっちでいいよ―――」と烏龍茶を引き寄せた。
本日は晴天、海原を渡る潮の香りが気持ちいい。
海鳥の鳴き声と波音が、まるで唄の様に心地いい―――
食べた直ぐだからか…眠くなる。
瞼が重く、頭がふらりと揺れる。
唄に誘われるように、よろよろと立ち上がった理玖は、ひとり、ぼんやりと、海へと向かう。
大声で喋りを交わし、盛り上がる中、アリサはふと砂浜に転がった紙コップに目を止めた。
「理玖？」
海の方に視線を向けると、1人、波に足を付ける理玖。
―――何か、様子がおかしい。
「おい、理玖―――？」
ばさりと羽を広げ、海へと飛ぶアリサ。その羽風に、盛り上がっていた会話を止めてグラスを置く鈴花達。
「理玖君？アリサ？」
海鳥の鳴き声と波音の狭間から、微かに聴こえる、澄んだ歌声―――。
―――マズイ、これは…
「皆、耳を塞げ！セイレーンの歌声だ！！」
茉莉が声を上げた。
辺りを見渡すと、波打ち際で遊んでいた他の海水浴客も、波に引き寄せられるように海の中へとゆっくり向っている。
茉莉が鈴花の耳を両手でふさぐと同時に、光は酔いでふらつく白檀の頭を抱きしめて耳を塞いだ。
Place δ Horizontal （ リクエスト） �ア�←Place δ Horizontal （ リクエスト） ��
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 2人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
名無しのチート(プロフ) - kohakuさん» 了解です！ (2021年2月14日 22時) (
レス) id: 221a08961c (このIDを非表示/違反報告)
kohaku(プロフ) - 桜雲さん» リクエスト有難うございます！そして毎度、鈴花さんを我が子のように登場させて頂いており、感謝しております！！是非書かせて頂きます！ (2021年2月14日 22時) (レス) id: d6f223475b (このIDを非表示/違反報告)
kohaku(プロフ) - 名無しのチートさん» ご指摘有難うございます！右手記載のあった2か所を修正させて頂きました。また気になる点がありましたら、ご指摘下さい！ (2021年2月14日 22時) (レス) id: d6f223475b (このIDを非表示/違反報告)
桜雲(プロフ) - いつも楽しく拝見させていただいています！リクエストなのですが、もしよろしければ鈴花vs理玖さんが見たいです！お体に気を付けて頑張ってください (2021年2月14日 22時) (レス) id: a765f4403f (このIDを非表示/違反報告)
名無しのチート(プロフ) - kohakuさん» すみません...すっごい言い忘れてました...サンズ左利きです......(すごい今更感) (2021年2月14日 21時) (レス) id: 221a08961c (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
