Place γ 心の壁（リクエスト） �� ページ16
「鈴花、レポートかけた？」
祓い屋養成学校の図書館で、自身のレポートを仕上げながら理玖が訊ねた。
「うん、後は文章の確認だけ」
「へぇ―――凄いじゃん」
「理玖、昨日、観ていたでしょ？」
向かいの席で、ノートパソコンに顔を隠す理玖を、鈴花は覗き込む。
「昨日？」
「私が、サンズさんにクッキーあげた時…縁側で」
「―――…別に、たまたまそこにいただけ。」
「嘘！」
「……クッキー焼いたのに、俺にはくれなかったから、拗ねてた―――って、言えばいい？」
頬を膨らませる理玖に、鈴花は柔らかく笑い、「はい」とピンクの小袋を差し出した。
「拗ねていたんだ？きちんと、理玖にも作ってるのに―――」
「俺の分？サンズの、ついで？」
「これは、理玖のだよ」
”理玖の分”に満足したかのように、ニコリと微笑むと、小袋を受け取り赤いリボンを、解く。
中には、星とハートのクッキーが入っていた。
「理玖のおかげで、サンズさんとも少し仲良くなれた気がする……だから、お礼」
「俺のおかげじゃないよ…」
理玖は小袋からクッキーを一つ取り出し、口に含ませた。
「鈴花も、サンズも―――互いに歩み寄ろうという意思があったから。アイツと仲良くなれるのは、鈴花の心が純粋で、仲良くなりたいって思いが伝わったからだと思うよ」
(俺のおかげじゃない。俺は、アイツにとって“敵”だろうから…。)
サンズは、人間が―――嫌いだという。
―――いや。嫌われていると思い込んで、嫌われるのが怖くて、心の壁を取り切れていないのは、俺の方か……。
苦手意識や、心の壁は、表情に出さなくてもどこか伝わってしまうもの…
誰だって、誰からか嫌われるのは怖い。嫌いと言われるのは、哀しい。
感情の克服は自分が思うより難しいのだ。
「鈴花は凄いよ―――俺も、仲良くなれたらいいな……」
シェアハウスの皆と―――人外の皆とも…
いつか・・・“人”や“人外”という言葉がなくなって
みんなが互いに、心の壁を取り払えたらいいのにな―――。
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名無しのチート(プロフ) - kohakuさん» 了解です！ (2021年2月14日 22時) (
レス) id: 221a08961c (このIDを非表示/違反報告)
kohaku(プロフ) - 桜雲さん» リクエスト有難うございます！そして毎度、鈴花さんを我が子のように登場させて頂いており、感謝しております！！是非書かせて頂きます！ (2021年2月14日 22時) (レス) id: d6f223475b (このIDを非表示/違反報告)
kohaku(プロフ) - 名無しのチートさん» ご指摘有難うございます！右手記載のあった2か所を修正させて頂きました。また気になる点がありましたら、ご指摘下さい！ (2021年2月14日 22時) (レス) id: d6f223475b (このIDを非表示/違反報告)
桜雲(プロフ) - いつも楽しく拝見させていただいています！リクエストなのですが、もしよろしければ鈴花vs理玖さんが見たいです！お体に気を付けて頑張ってください (2021年2月14日 22時) (レス) id: a765f4403f (このIDを非表示/違反報告)
名無しのチート(プロフ) - kohakuさん» すみません...すっごい言い忘れてました...サンズ左利きです......(すごい今更感) (2021年2月14日 21時) (レス) id: 221a08961c (このIDを非表示/違反報告)
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