Place 15 覚悟 �� ページ47
「用があるから、先に帰るって―――」
「そう―――じゃぁ私達も帰りましょう？東公園の横にお洒落なカフェが出来たらしいの、行ってみない？！」
先程から下を向いたままの鈴花を気遣い、衣麻奈が声を掛けた。「うん」と返事を返す鈴花の表情には、いつもの元気が見られない。
「お洒落なカフェ、いいな！皆で行こうぜ！！」
「何言ってるの？女子会トークに男は不要よ？」
「え・・・そうなの？」
「当たり前じゃない！それではごきげんよう！」
スカートの裾を静かに持ち上げ、丁寧な挨拶を残すと、衣麻奈は鈴花の腕を引いて教室を出て行ってしまった。
「・・・・・なんだよ―――」
頬を膨らませる和希の肩をポンポンと叩くカイル。
「お前は補習に向けて勉強やり直しとく方が良いんじゃないか？」
「ああああ・・・せっかく忘れてたのに。ああ、もう。ちくしょう・・・」
・
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衣麻奈とカフェを楽しんだ後、シェアハウスに帰宅した鈴花。
「ただいま・・・」と、力ない様子の彼女に、心配した茉莉が声を掛けた。
「お帰り、鈴花！なんだ・・・試験とやらの出来が良くなかったのか？」
「ただいま、茉莉ちゃん―――試験は、上手く出来たよ」
「それならなぜ、そんなに落ち込んでいるんだ？」
「―――……」
彼女の表情から、なにか事情がある事を察した茉莉が鈴花の背中を押す。
「丁度美味しいおはぎが手に入った、白檀に茶を点てて貰おう―――」
そう言うと、うつむき加減の鈴花を共同スペースの和室へと促した。
鈴花の様子がおかしいと茉莉から連絡を受けた白檀は、テストの採点業務を中断して抹茶を点てる。障子を開け放つと、縁側を挟んでその先に手入れされた庭園が広がる。シェアハウスの誰かが手入れしているのだろうか、奥行きのある庭には四季折々に咲く草木と岩が空気を凛と沈めてくれる。
「どうだ？とっておきのおはぎは美味しいだろう！」
茉莉が用意してくれた上品な甘みの広がるおはぎは、薫りの良いお抹茶の苦みとよく合う。
「美味しい！」
ふと笑みを溢す鈴花に、茉莉と白檀は安心して胸を撫で降ろした。
「そうだろそうだろ！女子会には美味しいすいーつと決まっている！」
その甘い香りに引き寄せられるように、解放された障子からひょっこりと顔を出すアリサ。
「女子会？うちも貰っていいか？そのおはぎ」
「いいぞ？じゃぁ特性みたらし団子も持ってこよう！」「じゃあお抹茶点ててくるわね！」
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