Place 9 悪戯 �� ページ3
180�僂猟洪箸箸いΨ辰泙譴紳侶燭�ら繰り出されるパワーと剣技は、クラスの中でも一目置かれている。
深い霧が立ち込める薄気味悪い石畳を、先陣を切るカイルに続いて進んでいくのは、鈴花のクラスメイトのラン。理玖や鈴花と同じく家が祓い屋でもある彼女もまた、”祓い屋”になる為に幼い頃から技術を叩きこまれている。髪を短く切りそろえた見た目通りに、勝気で男勝りな性格からクラスメイトと衝突する事も度々あったが、クラスの中でも大人しい鈴花達に対しては優しかった。
そんな彼女と対照的にふんわりと肩までのウエーブをなびかせ、鈴花と手を握り合いびくびくとしながら辺りを見渡すのは鈴花のクラスメイト、衣麻奈(いおな)。
小動物のように肩を震わせる彼女の見た目からの印象は“ザ・お嬢様”。裕福な人間の一般家庭に生まれ、虫も殺せぬような態度を見せる彼女がなぜ祓い屋養成学校にいるのかは不思議だが、人外が視える事に加え家族で唯一祓いの能力を持って生まれたために親からこの学校に入れられたという。
カイルとランを筆頭に、霧の中を進んでいく6人。石畳は一本道で森の奥へと続いていく。
きっとこの先に“何か”があるはずだ。
腰に祓い刀を帯刀し一番後ろをついて歩く理玖は、周囲の“音”に警戒を続けた。
しばらくして見えてきたのは古びた大きな洋館。先程の港やこの洋館と言い、ここに来る途中にも小さな家が数件存在した事から、かつて人類が滅亡を目前とするまでに追いつめられる以前には“人間”が住んでいたのではないかとすら感じさせられる。
「ラッキー、建物だ―――」
和希が声を上げ、先頭を歩くカイルに並んだ。
「この辺りだと、一番大きなお屋敷のようだな」
「―――………」
「とりあえず、霧も深くなってきたし、今日はここで朝を待つとしようか」
振り向いて、後方をついてくる女子生徒達に提案する和希とカイルに、ランと鈴花は頷き返した。衣麻奈は鈴花の腕を掴んで下を向いたまま―――。
「衣麻奈ちゃん、それでいい？」
鈴花が問いかけると、「うん」と震える声が帰ってくる。
怖がりの鈴花よりも怖がっている様子で、これではまともに話は出来ない。和希はグループの最後尾を歩いてきた理玖にも声を掛ける。
「大きい屋敷の方が色々と揃っている可能性があるしな――入ってみるけど、良いか？」
「―――ああ、今のところ気配は感じない。行こうか」
和希とカイルは、古びた洋館の重く大きな扉を、ゆっくりと開いた―――
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