【Avatar Code（アバターコード）】 (ページ10)

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Code No　01　⑧ ページ10

必死で記憶をたどるが、再び襲う頭痛とこの状況でまとまな思考が行えない。

「酷いな…何にも覚えていないんだ？おねーさんのせいで俺、こんな格好(裸)なのに」
「私の―――せい？」

ふと自分の胸元に視線を落とすと、Aも同様衣服を身に付けていない。

(まさか私、酔った勢いで未成年を自分の家に連れ込んで―――シちゃったって事？！)

顔面から、一気に血の気が引いていく。
魂が抜け落ちたかのように呆気となるAの前で、片手を振る少年。

「ねえ、おねーさん…大丈夫？」

放心状態のAは視線を合わせさへしない。

「…………仕方ないなぁ」

少年はベッドから降りると、裸のままスタスタと歩き出す。

「きゃぁぁっ！！」

慌てて布団に潜り、顔を伏せるA。洗面所の方でごそごそと音が聞こえたかと思うと、少年が制服姿で戻ってきてベッドの端に座った。

「いつまで裸でいるの？おねーさん。もしかして、もいっかいシたい？」

ムキになって頭を出したAの目の前に、コップが差し出された。

「はい、お水飲んで―――着替えて？台所…借りるよ？」
「えっ？」

差し出されたコップを受け取ったまま、固まるA。

「早く着替えないと、襲っちゃうよ？」
「～～～出て行って！！！」
「はいはい…」

大人しく部屋を出ると、ガサガサとキッチンで物音がし出した。

(本当に…本当に―――私、見ず知らずの未成年を家に連れ込んで、しちゃったんだ…)

記憶の無い自分を責めながらも、急いで着替えを済ませる。

「―――よしっ」

呼吸を整え覚悟を決めたAは、静かになったキッチンをちらりと覗く。座卓に美味しそうなフレンチトーストと牛乳が並べられていた。

「着替えた？」

台所からひょこりと顔を出す少年の姿を、改めて見返すA。
ルーズに結ばれたチェックのネクタイとズボンは、Aが頻回に足を運ぶ図書館がある、聖倭大学付属高校の制服だ。カッターシャツの肩元の刺繍の色から、まだ1年生だと言う事も分かる。

(16～17歳ッッ？！完全に私、犯罪者じゃない―――)

再び顔が青ざめるA。

「トースト、冷めちゃうよ？」

「………。す…すみませんでした。酔っていて覚えていないとはいえ…その―――まさか高校生に手を出してしまうなんてッ」

座卓の前に座り、頭を床につけるA。