Code No 01 �� ページ6
「全部牧野先生のご配慮よ！感謝するなら牧野先生にするのね！とりあえず、今夜は付き合うから、仕事終わったらいつもの居酒屋集合ね！」
「はいっ！」
右手を額にびしっと当て、敬礼して見せるA。いつもの笑顔を取り戻した彼女に、有理はくすりと笑った。
・
・
・
仕事終わり―――居酒屋
「オニーサン、もう一杯！」
両頬をオレンジ色に染め、ほろ酔いのAが空になったジョッキを掲げて振り回す。
「ちょっと、アンタそれ何杯目？！」
テーブルの向かいに座る有理が、頬杖を突きながらAの腕を下げさせる。
「え〜っとぉ……」
首をかしげ、思考の麻痺した頭でカウントするAの背後から、バイトの大学生がオーダーのジョッキを持ってきた。
「5杯目です！Aさん。ユーリセンセ、そろそろAさん止めて下さいよ」
「私が言って止まる女じゃないわよ？この子。千景君、Aの分はこれで最後にしといてね？」
「えへへへへ〜〜」
ふらふらと体を左右に揺らしながら、にんまりとほほ笑むA。
「分かりました。Aさんのは、これで最後です！」
「や〜ん酷い、千景君！」
ここの居酒屋の大学生バイト、安倉千景に絡む。
空のジョッキを涼香の手から引き抜くと、代わりのビールをテーブルに置き、千景は営業スマイルを保ちながらいつもの慣れた様子で軽くあしらった。
「はいはい。Aさん今日はやけに悪酔いしますね？」
「昼間、家の外科部長へのプレゼンで、全精力使い切ったのよ―――まぁ、おかげでばっちり勉強会の企画取り付けたけどね」
「へぇ！Aさん新人って言ってたのに、凄いですね！」
ぱちぱちと拍手する千景に、調子に乗って椅子に仰け反るA。
「ちょっとA！危ないッ！」
グラリとイスが後方へ傾く。
「A？！」
「Aさん！！」
咄嗟に椅子を握って転倒を防ぐ千景。ほっと胸を撫で降ろす有理だが、Aの手からビールジョッキを奪い取ると、それを一気に飲み干した。
「もうAはお酒禁止！これは私が貰う！店長、おあいそお願い！」
「うわぉ！ユーリセンセ、男前！」
隣で口元を引きつらせる千景に、空のジョッキを渡した。
「帰るわよ？A」
「は〜いぃ。またね〜！千景君」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 8人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
