【Avatar Code（アバターコード）】 (ページ50)

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Code No　07　⑤ ページ50

剣を振り、後方へ避けるアハトを、追いかけるように追撃の拳を重ねるツヴァイ。
アハトが纏わせていたプログラムコードは、二重螺旋に呑み込まれ、跡形もなくなってしまう。

「――――――……。こちらのソースコードを読み解き、その場でプログラミングを行ったというのか」

(随分若いナンバーズアバターだと思い、油断した……)

「煙幕起動―――」

突如、湧き上がる霧に、周囲の視界が奪われる。

「―――なんだ？！」「しまった、煙幕か？！」

こうなってはステルスモードを使っているＮＯ８の座標が追えない。

(追いかけるか…？見失えばnullに再度検索をかけて貰う必要がある―――

『アハトのID登録者は割り出せた。深追いをするな、アインス、ツヴァイ。』

耳に取り付けたBMIデバイス“バーム”に本部から水月の指令が届いた。

『いったん戻れ』
「「……了解」」

二人は顔を見合わせ、MA-U本部のある聖倭大学へと戻った―――。

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聖倭大学クラーク研究室(Material Avatar Crime Measures unit本部)――――

部屋中に並べられたコンピューターの隙間を縫って、その奥に座る水月の元に戻るアインスとツヴァイ。アバターとの接続を解除し、研究室に並べられたベッドに横たわっていた凪と千景はゆっくりと体をを起こした。

「すみません、見失いました……」
「いや、いい。NO8のID登録者がアインスと同じプログラマーである以上、作戦なしに深追いするのは危険だ」

水月は二人が横たわるベッドの隣に足を運ぶ。

「スキャニングを掛けたところ、NO8に不正ID登録をしたのは橘京(たちばなきょう)という男だが、過去の犯罪歴もなくこれといった特徴がない。なぜ彼が、NO8の存在を知っていたのか、それが海軍にある事を知っていたのか…そして、どうやって海軍からNO8を奪ったのかも不明だ」
「そんな男がどうして―――？」

顔をしかめる千景に、水月は小さく首を横に振った。

「とにかくその男を探ってみよう―――君達は、今日は家に帰りなさい。」
「分かりました」
「それと、凪―――」「はい」

水月の視線が、帰り支度をする凪を刺す。

「君は今、どこに住んでいるんだ？御影家に戻っていないだろう？」
「―――――――どこでもいいだろ？」

そう言うと、トレンチコートを羽織り足早にレッグバックを装着した。
バタンと音を立てて研究室を出ていく凪の背中を、見送る水月と千景。