【Avatar Code（アバターコード）】 (ページ44)

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Code No　06　③ ページ44

『盗聴器等の残留コードは残っていません、水月博士』
「だろうな―――。そんなもの、ここ(BMI研究室)では何の役にも立たぬ事くらい、彼も知っているだろう」
『―――軍ですか…厄介な事になりましたね』
「……人間とは、こういうモノだ。御影隼隆は、そんな人間に嫌気がさして” Noah's Program(ノアのプログラム)”を完成させたのだろうな…嘘のない機械だけの世界を作るために」
『でも、シュテルンバームの開発者でもあるセナ＝クラークは、そんな人間を信じてSternBaum(星の木)を欠片を世界に残した―――』

小さく、頷く水月。

「そうだな…。アインスは他のアバターナンバーズに連絡を取ってくれ。ポラリスは“彼ら”にこの事を報告しなさい」
『バフッ！』

研究室の奥に丸まっていた犬型自動機械、ポラリスが腰を上げ、その身体の周囲にソースコードを纏わせると、研究室に設置されたカメラの音声と映像データを同期させ、水月の指示通り、“彼等”に送信した。

5年前、国際サイバー犯罪対策課 InsideTrace Project支部に研究目的で貸し出していたNO９が消息を絶つ事件が起こった。
24年前に、天才科学者御影隼隆が起したInsideTrace事件で重要参考物証とされた自動機械(オートマタ)、“イデア”2機のうち1機と同施設に厳重保管されていたはずのNO9が突然起動したイデアによって持ち去られたというのだ。
当時の警察や関係者が血眼になって探したものの、機能停止したイデア(鉄の塊)だけが住宅街に転がり、持ちだされたはずのNO9が見当たらないのだ。

元々、24年前の事件以降InsideTrace Projectとは折り合いが悪い事からも、彼らが一芝居を打ってNO9を隠し持っている可能性も検討されたが未だにNO9は発見されていない状況にある。
以降、元祖シュテルンバームから作られたNO1～NO10のうち、消滅してしまったNO3と場所が分からないNO9を除いた8個の複製を、すべてプログラムで接続し、お互いの場所を把握できるようにしていたのだ。

「NO8の在処はサーチできるか？アインス」
『……国内にありますが、既に誰かがID登録を行い、Appropriation(専有)しています。居場所が特定されない用、現在はステルスモードにしていてこれ以上の通信は困難です』
「やはり、固有化(専有)してしまったか」