【Avatar Code（アバターコード）】 (ページ22)

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Code No　03　② ページ22

「え～っ！禁止ばかり！！」
「君がそう言う事をするからでしょ？！変な事したら、どんどんルールが増えてくるからね！」

距離をとり、びしっと人差し指を向けるA。

「―――そんなに沢山ルール作ってさ、Aさん、それ全部きちんと覚えてる？」
「……覚えているわよ―――多分」
「ふぅん？じゃぁ今度テストしよ―――」
「テストも禁止！」
「あはは！酷いなぁAさん！俺何もできない！」

笑い出す凪に、今度はAが口元を尖らせた。
今はこうする事でしか凪との距離感を掴めないのだ。

彼に本気になっちゃダメ。次々と増えていく禁止ルールは、そんな自分への戒めにもなっていた。

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暫く寝室に一人籠っていたAは、お茶を汲みにとキッチンへと向かった。
先程から大人しいなと思いちらりと隣を覗くと、凪はリビングのソファーベッドにもたれかかり、ノートパソコンを膝に置いてカタカタとタイピングをしている。
学校の課題か何かをしているのだろうか―――。

「凪君、お茶いる？」

真剣で…それでいてどこか冷たく怖くすら感じる凪の表情が、ふと和らいだ。

「うん、ありがとう―――Aさん」

パタリとパソコンを閉じ、立ち上がると、Aの隣にちょこんと並ぶ。
冷たい麦茶の入ったグラスの一つを凪に手渡し、もう一つのグラスの中身を一気に口に流し込んだ。
乾いた喉が潤いを取り戻す。

「夕飯、何がいい？食べたいものとか…アレルギーとかある？」

冷蔵庫を一通り見渡し、Aが訊ねた。

「食べたいものはAさん、アレルギーは猫」
「え？凪君猫アレルギーなの？！」
「……え？反応するのそっち？！」

凪は、Aの反応につまらなさそうに繰り返してみたが、そう何度も慌てさせられてたまるものかと心中で拳を握る。そうやってセクハラめいた発言で揺さぶりをかけても、彼にはAに手を出さないというルールがあるのだ。初日から破るはずもないだろう。

Aの強気な態度に、凪は頬を膨らませて見せるが、一向に動じないAに、諦めて小さなため息を落とした。

結局冷蔵庫にあるものでとAが手早く作った酢豚で夕食を取り、波乱の一日は幕を閉じた。

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