【Avatar Code（アバターコード）】 (ページ20)

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Code No　02　⑨ ページ20

「Aさんには信じて貰いたいから、Aさんが良いって言うまでキスしない―――。手も出さない、他の人とも絶対しない。だから、Aさんの傍に居させて下さい」

余裕のない必死な凪の表情に、Aは振り払おうと暴れていた手の力を緩めた。

「どうして…私なの？」

凪は見るからに綺麗な男の子。彼なら同世代の女の子が幾らでも言い寄ってくるだろう。

ごくごく普通の女に生まれた私は、ごくごく普通の恋をして、ごくごく普通の生活が送りたい―――ただそれだけなのに。
彼はそんなAの日常を、非日常へと変えていく。

少し戸惑っていた凪が、Aの涙に観念したかのように口を開く。

「――――俺、Aさんに会うのは昨日が初めてじゃない。千景が言ったように、ずっと図書館通っていたから、Aさんが休日に医学書の辺りで一日中過ごしているのを知ってたんだ」

「……えっ？」
「言ったでしょ？若い女の子がルーティンを作ると、変な人に襲われやすくなるって」

あれは、自分の事を言っていたんだよ、と苦笑いを見せた。

「約束は、守るよ―――。心配なら他にも条件出してくれていい。守れなかったら出ていくから、一度だけ俺にチャンスを下さい」

今朝は脅しのような文句を並べて居座ろうとしたというのに、今の彼はやけに素直だ。
なぜそこまでするのだろう、なぜ私なのだろう…結局の答えを見つけられないまま、Aは静かに頷いた。

「約束破ったら…追い出すから」

Aの左手を握り締め、不安げな凪の表情に、安どの色が浮かんだ。

「ありがとう、Aさん！約束は守るよ！」

天使のような笑顔を見せると、じゃぁ帰ろうと凪に促され、二人は図書館を後にした。

アパートに着いたAはドアの前を見下ろし、またもや言葉を失う。

「凪君…これは―――何？」
「俺の荷物♫Aさんが勉強している間に家に帰って運んだの」
「・・・・・・」

こんもりとまとめられた荷物を見て立ちすくむA。結局、彼の思う通りに振り回されたって事なのか。ドアの前で呆然と立ちすくむAの手からカードキーを奪いロックを解除すると、凪は自分の荷物をそくさくと玄関の中に入れた。

「今日からよろしくね！Aさん」
「～～～もぉ！！」

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