【Avatar Code（アバターコード）】 (ページ18)

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Code No　02　⑦ ページ18

要件を済ませると、名残惜しそうに頭を寄せるポラリスの背をさすり、凪は足早に部屋を出た。
向かったのは駐輪場―――。

青のCBR400Rに跨ると、直列2気筒の小気味のいいエンジン音を唸らせて大学を後にした。

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勉強に夢中になっていたAは、時計を見て顔を上げる。図書館の利用者は少なくなり、日は少しかげり始めていた。

16：00…

そろそろ凪と合流しなければと、バームを起動させる。確か、バディポイントとかで彼の位置を把握できると言っていた。彼を指す蒼色の光点は意外に近くにある。この位置だと図書館の裏当たりか―――

光点を頼りに図書館を出て、くるりと建物の裏側に回ると、直ぐに凪の姿を見つけた。

「凪く！…ん？」

声を掛けかけたAだが、隣に人がいる事に気付いて言葉を止める。
腰まである長い黒髪を揺らすクールな美少女…。制服から、聖倭大学付属高校の生徒のようだ。
何か言い合っているようだがAの場所からは会話の内容までは聞こえない。あっさりとした態度の凪に対し、女の子の方は手ぶりも大きくやや興奮した様子だった。

途端、黒髪の少女が凪の顔を両手でつかみ、キスした。

「？！！」

思わず壁に隠れるA。
たかだかキスに慌てるような年齢でもないはずなのに、顔が火照り、胸が躍る。

何？！最近の若い子はこんなところでキスしちゃうの？！
何よ凪君…あんな可愛い彼女がいるんじゃない―――

「あっ……」

ズキンと、Aの胸が痛む。

何故だろう―――。

(知らない高校生に突然に言い寄られて、迷惑していたじゃない！可愛い彼女がいるなら、喧嘩してないで彼女のところに行けばッて言ってやればいいじゃない―――)

なのにどうして、胸が痛い？

壁際にもたれかかり、下を向くA。足元に、影が落ちる。

「お待たせ、Aさん。帰ろ？」

何事もなかったかのように、凪の声が掛かった。

(どうして私がここにいる事を知っている？
…そうか、バームのバディポイントで。
じゃぁ私がさっきのキス見てたことも、気づいているんじゃない―――
なのにどうして、そんな平気な声で“帰ろう”なんて言える訳？)

―――落ち着け。私。

心の中で深呼吸する。子供相手にこんな事で動揺してどうする―――。
平常心…平常心で―――。