【Avatar Code（アバターコード）】 (ページ14)

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Code No　02　③ ページ14

(―――いや、可笑しいから！高校1年生の子供に何ときめいてんのよ私！！しっかりしろAッ！)

両頬を両手で叩いて気合を入れ直すと、ずかずかと凪の元に向かった。Aが声を掛ける前に、ふと振り向く凪。気付かれた事に、Aの方がびくりと身を引く。

「あ、Aさん―――お勉強終わったの？」
「ううん。もうお昼だし、いったん休憩してカフェしない？」
「もしかして俺、Aさんに食べられちゃう？」

先程までの本を読む真剣なまなざしを一変させ、ニコリと微笑みながら小首をかしげて見せる凪。その天使の笑顔からは想像が出来ないセリフをさらりと吐いた。

「どうしてそうなるのかなぁ？！」
「だってAさん、物凄い形相でこっちに来てたから―――」

高校生に舐められまいと気合を入れてきたのが、彼を喰わんとする勢いに見えてしまっていたとは…。

「～～～っ！！」

余裕のない自分が恥ずかしくなり、凪の指摘に両手で顔を覆い隠すA。そんな彼女を見て再びくすくすと笑う凪。先程から、凪に笑われっぱなしだ。

「あはは！可愛いなぁAさん。そうだね、お腹空いたからお昼にしようか―――Aさん何が食べたい？」

手に持っていた難しそうな本を棚に戻すと、Aの手を引き手慣れた感じでエスコートする。仕事と勉強と音楽に打ち込んで、男性免疫のさほどないAに対して、凪は女性慣れしているようだ。“可愛い”だとか“食べられちゃう”だとか、そんなセリフをさらりと言いう年下の男の子に、手を繋がれただけでドキドキしてしまうような自分が、いくら虚勢を張ったところで彼には敵わない事を察した。

結局、土日には一般開放されている大学内のカフェテリアで軽食ランチを取る事にした二人。窓際の明るい席に座ると、凪はいただきますとサンドウィッチを頬張った。
目の前に置かれたオムライスに手を付けようとしないAに、どうしたのと声を掛ける凪。
自分でオーダーしたものなのだから、食べれないなんてことはないはずだが。

「・・・どうして社会人の私が、学生の君に驕られているのか分からない―――」
「ああ、そんなこと？」

先程のレジでの支払い。ここは社会人の自分が懐の深さを見せるところと意気込んでいたのだが、聖倭大学系列の学生は学生証の提示で割引が効くからとへらへら笑う凪に上手く丸め込まれ、結局凪に支払いをさせてしまったのだ。