【Avatar Code（アバターコード）】 (ページ2)

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プロローグ　②　（世界観）ページ2

3番目に複製されたアバター“drei(ドライ)は研究・汎用目的で大量に増殖を繰り返し、幾つものコピーが作られた。
これにより、一般市民の一部でもアバターが使用されるまでに普及していた。

だがある日突然、ドライから複製されたアバターが一度に全て消滅してしまう事件が発生する。
機能を停止したマテリアルの欠片を調査した結果、あまりに短期間に多く増殖された事が原因と思われ、それ以降はシュテルンバームの複製に対する規制が設けられ、一部の科学者・研究者以外は複製が行えないプログラムが埋め込まれたのだ。

汚染された大気から人類を守る為、今度は7番目に複製されたアバター“sieben(ズィーベン)”を汎用目的で増殖させた。
一定期間に複製させる上限を設け、厳重に監視された数か所の研究期間でのみ慎重な複製が許された。
これにより、再び一定量のマテリアルの安定供給が可能となり、何処の国であっても5歳以上の人間には一人一つ個人のIDが埋め込まれた特殊マテリアルが配布され、外出時の携帯が義務付けられたのだ。

技術の進歩により、シュテルンバームで成形されたアバターは、一見すると人と大差なく見え、触れた温かさや質感までもがかなりのクオリティで実現されていた。
だが、複製を繰り返したマテリアルはその効能が衰え、かつては人型を成す力を持っていたが、現在は人に纏わせ鎧にするだけの能力が限界となった。

より元祖に近いコードを持つマテリアルは強い能力を持つと噂され、裏社会で高値で取引される事態も起きてしまった。

各国は25年前に起きた大規模サイバー犯罪の反省を踏まえ、生産された全てのアバターにIDコードを埋め込み匿名性を排除した。

BMIにより絶えず命令信号(ソースコード)が送られており、一部の特殊な機械(デバイス)を通してみると、埋め込まれたIDが可視化され、誰の持ち物かが分かるという非匿名性が採用され、一度接続されたID保有者の生体反応が消滅するまで、ID保有者以外が使用できない仕様となったのだ。

そして、特殊マテリアルの強奪や裏取引、ソースコードの書き換えなどの、アバターを使った犯罪は激減し、より広く安全に使用される社会へと変化してきた―――。