裏 Stern Baum ～Coffee Break～ (ページ47)

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Cups　4　表裏　③ ページ47

しなくていいって、言ってるのに―――。

裏アキトはAから奪い取ったキーボードに、プログラムを打ち込み、起動させる。
散らばっていた幾つものデータを整理し、間違っていたソースコードを訂正した。

止まっていたデータ解析が、再び動き出す。

「……凄い」

驚いているA。

「アイス、溶けるよ？」
「………ありがとう―――秋兎」

アイスを口に含んだAの口元が、少し、綻んだ。

あ―――笑った……。

笑った顔は、ちょっとだけ可愛い―――

「ベネズエラ、苦いから。お子様Aには、アイスつけた」
「…なによ。秋兎だってアイス乗せてるじゃない―――お子様だわ！」

そう言うと、Aが僕の腕に、もたれ掛かってくる。
左腕に、茶色い髪が掛かって、くすぐったい。
そのままアイス食べてるし…。タイピング、し難いじゃないか

なのに、なんで何も言わないんだよ
ポイって、払いのけないんだよ

なんで――――――
解析が動き出して、嬉しそうに笑うAの顔を見て
僕まで嬉しいって、思っちゃうんだよ……。

この気持ちは、“僕”じゃない。
全部、“裏アキト”のモノだ。

僕は、Aなんか―――大嫌いだ

大嫌いなんだ・・・・・・。

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つ・づ・く？