Cups ３ 二人ぼっち �� ページ31
再び言葉を濁すA。
InsideTrace事件で聖倭大学病院に運ばれ外来受診をした際、病院スタッフにはその方が都合がいいからと、立夏がAとの関係を親戚として紹介していた。受診の予定の無いAが外来をうろついていると、当然スタッフは立夏に会いに来たと勘違いしても仕方がない。
「へぇ……」
十夜は口元に手を当てしばらく考え込むと、にんまりと笑みを浮かべる。そして
「じゃぁ、こうしとこうかな―――」
背後からAを両手で抱きしめた。
「？！！」
突然の事に驚いて振り向くAを気にせず、十夜はにこにこと微笑んでいる。
「牧野先生？！」
腕を振り払おうと体を捩っていると、背後から立夏の不機嫌な声が飛んだ。
「病院廊下で何してんだよ、十夜！」
「やぁ立夏！外来お疲れ様」
愛想よく振る十夜の手を振り払った立夏は、Aの肩を自らの方へ引き寄せた。外来診察が終わったところだと言っていたが、こうして立夏の白衣姿を見るのは久しぶりだった。
「A、俺に会いに来てくれたの？嬉しいな」
「違うよ、立夏。Aさんは今日、俺に会いに来たんだ」
(俺？)
十夜の一人称が変わった事に気が付いたAは、思わず十夜の顔を見返す。
「大体なんで、十夜がAと一緒にいるんだよ―――」「なんだ立夏、気になるの？」
挑発するように目を細める十夜に、立夏の苛立ちが募る。
「立夏先生！今から3人でお昼ですか？でしたら何かあったらPHS鳴らしますね！」
すれ違う看護師が、声を掛ける。
「11：00か…少し早いが昼休憩にしようかな？行こうかAさん」
「行くって、お前も一緒なのかよ…」「だって立夏、気になるだろう？俺とAさんの事―――」
「………A、もう少し付き合ってくれる？」
小さくため息をつき、立夏はAに視線を向けた。視線を二人の顔の間で往復させ、何がどうなっているのか状況を把握できぬAは、ただただ二人に連れられて院内のカフェに向った。
・
・
・
・
Cups ３ 二人ぼっち �Β�←Cups ３ 二人ぼっち ��
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 10人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
またる - 本の虫さんの作品は、進めドフラ子ちゃんの作品から読ませていただいています！これからも頑張って下さい！ (2020年7月10日 17時) (
レス) id: 15db7b492a (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
