Cups １ con tenerezza（コン・テネレッツァ）� 宗宗十侫襦璽� ページ1
Cups １ con tenerezza(コン・テネレッツァ：優しく・愛情をこめて)
平日の昼前…
その日の識は久々の休日なのだが、
外部から著名な講師を招いての研修があるとの事で、特別に立夏も研修に参加する事になり、
朝から二人で出かけていた。
白李は海洋研究の留学目的で渡米している為、Aの口利きで近くの大学の講義を受けに行っている。
留学期間中も中間報告とレポートを日本の大学に提出する必要があり、学生の本業は忙しい。
秋兎は昨夜も遅くまでInsideTraceゲームのボスから回収したソースコードの解析を行い、
そのプログラミングの特徴を探っていたようだ。
元々夜型人間だが、アメリカに渡ってからその昼夜逆転が輪をかけて酷くなっている。
最近ではポラリスのAI機能も学習を重ね、秋兎のパソコンがスリープモードになった時間から計算し、朝の起床時間を調整している。
リビングでカタカタとパソコンを叩く碧は、トーストをかじりながら日本のクライアントから依頼されたシステムの修正を行っていた。
元々プログラマー兼SEとしてパソコンを使って仕事をしていた為、プログラムの仕様書(システムの設計書)やソフトウェアの設計書の作成はアメリカに居てもリモートで行える。
直接クライアントと会う内容については同僚に任せる事で、長期海外出張中でも何とか仕事を繋いでいられるのだ。
リビングのラグマットに丸くなって休んでいたポラリスの耳が、何かに反応してピクリと動く。
玄関まで移動し、ドアの前にちょっこりと座って主人を待ち始めた。
「ラス？Aが来たのか―――？」
碧の声掛けに、「バフッ！」と返事を返すと同時に、玄関のドアが開いた。
「おはようございます……」
ポラリスは、やって来た主人の足元に、頭をすり寄らせた。
碧もデータの保存を行うと、ノートパソコンをぱたりと閉じて彼女を出迎える。
「おはようA！」
笑顔の挨拶に対し、朝から重いため息が帰って来る。
「あら？元気ない？」
「……ごめんなさい、ちょっと母さんと喧嘩して」
「喧嘩？珍しいね―――」
優しく問いかけるように腰をかがめる碧に、Aは小さく首を横に振った。
「珍しくないわ…母さんとは、時折喧嘩するもの―――碧、珈琲付き合ってくれる？」
「勿論、よろこんで―――」
珈琲を淹れようと、ドリッパーを並べだしたAは、冷凍庫をあけて固まった。
「あ……」
「ん？」
「………珈琲豆切らしちゃった―――」
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またる - 本の虫さんの作品は、進めドフラ子ちゃんの作品から読ませていただいています！これからも頑張って下さい！ (2020年7月10日 17時) (
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