White cloud【青】 (ページ23)

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堂々とスケッチブックページ23

「んや、ビックリはしたけど
　大丈夫やで！気にせんで！

　それにしても…
　Aちゃんはなんでここに？」

爽やかヤス君、優しいなぁ。

これが亮ちゃんやったら…、
キレられてるかも。

亮ちゃん、そういうところあるから。

「私たちは美術の授業中で…
　今日は校内のスケッチをすんねん。

　それでええ場所を探してたら、
　ヤス君を発見したんや」

だからって、
わざわざ声かけなくても
良かったのかもしれないけど…。

なんか気になったんだよね。

「いい絵、描けそう？」

ヤス君はそう聞くけれど。

配色が美しいとか、
写真のように上手い絵
というのならならまだしも…。

いい絵となると、
なかなか話は難しい。

私としてはいい絵でも…。

「それがなー。
　私はまぁまぁ描けてるつもりやねんで。

　でもなー、真理佳や周りの子たちは
　私の絵の理解ができんみたいでな。
　『画伯』扱いされんねん」

私がそう言うと、真理佳は

「A、章ちゃんにも
　絵、見せてみたら？」

なんて言う。

ちょっと恥ずかしいけど…
優しいヤス君なら
変な反応はしないはず！

そう思った私は
堂々とスケッチブックを開いた。