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そんなに見られると… ページ13
「これ、返します」
カウンターの男子に声をかける。
ちょっとボーっとした顔を
向けたと思ったら…。
私の顔を見た途端に
ハッと目に光が宿った。
なぜか私の顔をじっと見てくる。
ん？なんだろ？何かついてる？
あんまり見られると、
ちょっと恥ずかしいんだけどな…。
でも、目そらすのも失礼だし…。
あ、声が聞こえなかったのかな？
「返却…したいんです…けど？」
ちょっと大きめな声で
話しかけてみたのに…
反応が無い…。
あれ、よく見てみれば、
顔が赤くなって、熱っぽそう…。
風邪かな？
だからボーっとしてたり、
目がうるんでるのか…。
あそこのソファで寝てる子、
誰かはよく見えないけど…。
カウンターの子と
替わってあげればいいのに。
「…大丈夫？顔赤いよ？体調悪い？」
普段の私は
あまり関わりの無い、
しかも男子に自ら話しかけるなんて
恥ずかしくてできないんだけど。
今にも倒れそうな
目の前の男子の様子に、
気付いたら声をかけていた。
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作者名：中塚スピカ | 作成日時：2015年11月10日 17時
