検索窓
今日:37 hit、昨日:9 hit、合計:127,787 hit

Sixth ページ11

一期side

Aがゆっくりと息をついて目を合わせてきた

貴「わ、私…一期様と最期に会って……一期様は大阪城で燃えてしまいました…」

一期「……」

貴「……実を言いますと、私も茶々様と共にその場におりました」

一期「え…!?」

確かに茶々様はこちらに残っておられた

秀頼様と共に自害する為に…

貴「ですが…茶々様が自害する直前…徳川家康様の家臣が…茶々様から私を奪い、そのまま徳川家に連れていかれました……」

Aはそんな事があったなんて…

あの時、私が頑張って探しておれば…

後悔の念が溜まっていくのが自分でもわかっていた…

一期「あの時…探し出し助けに行ければよかった…申し訳ない…」

貴「なんで一期様が謝るのですか…??これが私に与えられた宿命だと思っております故…大丈夫です」

一期「……そうか…。その続きがあるんだろう?」

貴「その後…私の刃生は…悪化していきました………疲れや鬱憤の溜まった徳川家に仕える重臣達が…私を………っ……わ、たくしを……」

Aはポロポロと涙を流している。私はそれ以上言わせたくなくて抱き寄せて強く抱き締めた

Aにこのような事をした輩を…いや、このような事をした輩の一族全てにお覚悟したい…

そのような感情がたまっていった

Aにここまで辛い思いをさせ、さらには泣かせた…

自分の妻がこのような目にあって、夫の私が怒らないわけがない…

一期「よく……よく耐えてきましたな…」

貴「一期様…私は汚れております…。このような女が一期様の妻など務まるはずもありません…」

一期「Aは汚れてなんかいない…。綺麗なまま…」

私は触れるだけの接吻を彼女に送った

そのようなことは無い…私が会った時のまま…とても綺麗で優しく美しいまま…

考えていることが伝わるように…

貴「い、一期様……っ…私…一期様に謝らなきゃ……」

一期「謝らなくていい…。今無事に私の目の前にいるだけで…それだけで十分………。いいんだよ?」

抱き寄せ、頭を撫でていくとAは泣き疲れたのか私の肩に寄りかかり、静かに寝息を立てた…

そして片手で支えながら、もう片手で布団を敷きそこに寝かせた

一期「Aを汚した人間風情にお覚悟しないといけませんな…」

私は刀を手にしてそっと部屋を出た

Seven→←Five



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
210人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

猫マシュマロ(プロフ) - 更新頑張ってください!この作品、大好きです!応援してます! (2020年9月11日 21時) (レス) id: 374dad9b55 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:咲希・夏蝶(ほたる) | 作成日時:2020年4月20日 8時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。