Sixth ページ11
一期side
Aがゆっくりと息をついて目を合わせてきた
貴「わ、私…一期様と最期に会って……一期様は大阪城で燃えてしまいました…」
一期「……」
貴「……実を言いますと、私も茶々様と共にその場におりました」
一期「え…!?」
確かに茶々様はこちらに残っておられた
秀頼様と共に自害する為に…
貴「ですが…茶々様が自害する直前…徳川家康様の家臣が…茶々様から私を奪い、そのまま徳川家に連れていかれました……」
Aはそんな事があったなんて…
あの時、私が頑張って探しておれば…
後悔の念が溜まっていくのが自分でもわかっていた…
一期「あの時…探し出し助けに行ければよかった…申し訳ない…」
貴「なんで一期様が謝るのですか…??これが私に与えられた宿命だと思っております故…大丈夫です」
一期「……そうか…。その続きがあるんだろう?」
貴「その後…私の刃生は…悪化していきました………疲れや鬱憤の溜まった徳川家に仕える重臣達が…私を………っ……わ、たくしを……」
Aはポロポロと涙を流している。私はそれ以上言わせたくなくて抱き寄せて強く抱き締めた
Aにこのような事をした輩を…いや、このような事をした輩の一族全てにお覚悟したい…
そのような感情がたまっていった
Aにここまで辛い思いをさせ、さらには泣かせた…
自分の妻がこのような目にあって、夫の私が怒らないわけがない…
一期「よく……よく耐えてきましたな…」
貴「一期様…私は汚れております…。このような女が一期様の妻など務まるはずもありません…」
一期「Aは汚れてなんかいない…。綺麗なまま…」
私は触れるだけの接吻を彼女に送った
そのようなことは無い…私が会った時のまま…とても綺麗で優しく美しいまま…
考えていることが伝わるように…
貴「い、一期様……っ…私…一期様に謝らなきゃ……」
一期「謝らなくていい…。今無事に私の目の前にいるだけで…それだけで十分………。いいんだよ?」
抱き寄せ、頭を撫でていくとAは泣き疲れたのか私の肩に寄りかかり、静かに寝息を立てた…
そして片手で支えながら、もう片手で布団を敷きそこに寝かせた
一期「Aを汚した人間風情にお覚悟しないといけませんな…」
私は刀を手にしてそっと部屋を出た
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猫マシュマロ(プロフ) - 更新頑張ってください!この作品、大好きです!応援してます! (2020年9月11日 21時) (レス) id: 374dad9b55 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:咲希・夏蝶(ほたる) | 作成日時:2020年4月20日 8時