検索窓
今日:5 hit、昨日:17 hit、合計:176,325 hit

18.冬茜 ページ18

.




⋯にしても、二人きりで話すことなんかなく。

一応北斗も気まずいって思ってんのかな、最近はそんな素振り一切見せないけど。


気が付けば無言のままあっという間に2往復が終わって、教材が乗っていた私の机は綺麗まっさらな状態になっていた。

差し込む冬茜を通り過ぎて、教室へ戻る。



「ありがと」

北「⋯あのさ」



私のお礼はガン無視で、なにか話を切り出そうとする北斗。

まあ別に、素直に「どういたしまして」とか言うわけないっては分かってたけどさ。



「なに?」

北「土曜の話、樹から聞いた」

「あー、鍋パの話?」

北「うん」

「北斗来ないでしょ、私いるしね笑」



自虐しといてなんだけど、勝手にちょっと傷ついた。

もう私が北斗に抱いている感情は、きっと誤魔化しがきかないもの。



北「⋯行くって言ったら?」

「⋯え?」

北「行くって言ったら、Aは嫌?」



別れてから、初めて北斗に名前を呼ばれた。

胸がぎゅーっと締め付けられて、あの頃を思い出して涙が出そうになった。


⋯嫌だなんて、そんなこと思うわけないじゃん。



「別に、来たいなら来ればいいと思うよ」

北「⋯そ」

「うん」



だけど、あの振られ方がふと脳裏をよぎる。

舞い上がってまた痛い目を見るのはきっと私だ。北斗は1度私のこと振ってるんだから。



北「Aが行くなら俺も行く」

「⋯なにそれ」

北「行くの?」

「行くけど、」

北「んじゃ、行く」



今の北斗が何を考えてるのか、私にはさっぱりわからない。




.

19.メルティーキッス→←17.もこもこ



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (334 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
1360人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

くみ(プロフ) - 更新ありがとう御座います!拗らせ北斗くん大好きです!続き楽しみにお待ちしてます! (11月21日 13時) (レス) id: ac351487ee (このIDを非表示/違反報告)
まゆみん(プロフ) - 続き読みたいです。 (7月29日 16時) (レス) id: c9c9d458e3 (このIDを非表示/違反報告)
まゆみん(プロフ) - 早く結ばれてほしい、別れた理由知りたいです。 (2023年1月8日 16時) (レス) @page35 id: 541c7ab773 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:姫野 | 作成日時:2022年11月26日 22時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。