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真夜中のカミングアウトに
フルフルと横に首を振って答えた
すると
姉ちゃんは少し潤んだ瞳で
安心したように
「ありがとう」
と笑ってくれた
その顔に私も安心して
そして
少し勇気を出して
「...大野さんは元彼ってことは
今はもう終わってるんでしょ？
じゃあ...
なんで今日
A姉ちゃんに会いに来たか聞いてもいい？」
上目遣いで訪ねる
すると
A姉ちゃんがぽつりと
でもはっきりと
「離婚が成立したんだって」
「えっ？
じゃあ」
ハッピーエンドじゃん！
って単純に笑顔になった
けど
今度はA姉ちゃんが
フルフルと横に首を振って
「私には
他に好きな人がいるから」
「えっ！？」
また声を上げてしまい
ハッとして
毛布にうずくまる
ちょっと
いきなり色んな情報が入って来て
なかなか整理がつかない
落ち着け
落ち着け
私
.
「ふふふっ
いきなりヘビーでごめんね」
姉ちゃんは
申し訳なさそうに
毛布の上から優しく私の頭を撫ででくれた
その温もりを感じ
姉ちゃんが正直に
私に打ち明けてくれたのだから
私も受け止めてなきゃ
って思えた
やっぱり大好きだから
.
すうっと深呼吸をして
毛布から顔を出し
「じゃあ
その好きな人とは？
付き合ってるの？」
ハッピーな話になればいいと思っているけど
A姉ちゃんの表情からは
あまり期待出来なさそうである
.
姉ちゃんは
私を数秒見つめてから
少し目を伏せ
「私と彼は住む世界が違い過ぎて
一緒にはなれないの」
やっぱり
そんな悲しい答えが返って来てしまい
私は何故か声が少し震えてしまった
「どういうことなの？」
聞きたいけど
聞きたくない
そんな複雑な気持ちで
次の言葉を待つ
「...彼はね
今頃きっと
官僚になってる。
そして
この国を明るい未来へと
引っ張って行ってくれるすごい人
そういう運命の下に生まれて来た
選ばれた人なのよ
だから
凡人の...
ましてや
不倫なんてしていた私みたいな女が
手に届くような人じゃないの」
「そんな...」
そう言って
そのまま顔を伏せてしまった姉ちゃんに
上手く言葉をかけられず
ただ
その手を両手で握った
「...花凛ちゃん...」
その行動に驚いたのか
安心したのかは分からないけど
姉ちゃんが顔を上げた
「話...
聞いてもいい？」
はかなくて
今にも消えてしまいそうなA姉ちゃんを
私が少しでも救えることが出来るのならば。
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ことら(プロフ) - コメントありがとうございますm(__)mとても励みになりました！頑張ります。 (2020年1月26日 20時) (
レス) id: 3fdd75fac9 (このIDを非表示/違反報告)
umi(プロフ) - 色々と複雑な気持ちの中で書き続けてくれてありがとう。私は潤担なので比べ物にならないけど心中お察し致します。辛い時は休んでいいです。ゆっくりでも最後まで更新して頂けると嬉しいです。 (2020年1月26日 11時) (レス) id: 70b1e6f34a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ことら | 作成日時：2019年12月5日 7時
