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.
カタカタカタ
パソコンのキーボードを打つ音だけが聞こえる
.
「正解があるんだったら
俺が教えて欲しいですよ」
「え?」
今度は私が顔を向けた
「世の中
全部答えが出たり
正解があるなら」
「あぁ
そっか...」
そうだよね
そのまま見つめ合って
「ふふっ」
「A先輩
迷走してますね」
「うん
だね」
ふっと
空気が和み
自然と微笑み合う
カタカタカタ
再び
お互いパソコンに目を向ける
「お昼何にします？」
「もうお昼の話？？」
「俺
まだ２０代入りたてなんで」
「はいはい」
「あれがいいな」
「オムライスでしょ」
「正解」
私の中の
モヤモヤが消えて行く
.
12:00
「A先輩
休憩いきましょ」
待ってましたとばかりに
元気よく櫻井くんに声をかけられる
「はいはい」
なんて言いつつも
実は楽しみにしていた
財布を持って立ち上がると
「俺も一緒にいい？」
そう言って
智さんも立ち上がった
予想外の出来事に
思わずフリーズしてしまう
「もちろんですよ
行きましょう」
全く動じない櫻井くん
「そう?
良かった」
負けじと
綺麗に微笑む智さんが
私に軽く目配せするも
どう反応していいのか分からず
ハニカんで目を逸らす
.
定食屋さんに入ると
当たり前の様に
私の横に智さんが座る
そんな事
櫻井くんは全く気にせずに
メニューを見ながら
「やっぱオムライスだよな
でもこれもうまそうだな」
なんて
すっかり食べ物に夢中
ほらね
冷静に見れば分かるのに
櫻井くんに
ライバル視する必要がない事
智さんの牽制を
気づいているのに
相手にしていない
そんな
いつもと変わらない姿を見て
何だか緊張している自分が
おかしくなって
「じゃあ
私これにする」
「えぇ
いいんですか？」
「いや
あげるなんて言ってないよ」
「どうせ
全部食えないんですから」
「大野さんが食べるかも」
「えっ」
「いや
大野さんは小食だって聞いてますから」
「何
二人でそんな話してんの？」
複雑な顔をする
「そうですよ」
さらりと言うから
「ちょっと櫻井くんっ」
慌てて止めに入る
.
食事が運ばれて来て
いつもの様に手を合わせて
「いただきます」
と
食べ始める
「先輩
これもらいますね」
と言って
私の注文した料理の中にあった
人参をパクリ
「え?」
智さんが驚く
「先輩
人参嫌いだから」
「...あー
そっか」
そう言って
智さんは難しい顔をした
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ことら(プロフ) - コメントありがとうございますm(__)mとても励みになりました！頑張ります。 (2020年1月26日 20時) (
レス) id: 3fdd75fac9 (このIDを非表示/違反報告)
umi(プロフ) - 色々と複雑な気持ちの中で書き続けてくれてありがとう。私は潤担なので比べ物にならないけど心中お察し致します。辛い時は休んでいいです。ゆっくりでも最後まで更新して頂けると嬉しいです。 (2020年1月26日 11時) (レス) id: 70b1e6f34a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ことら | 作成日時：2019年12月5日 7時
