13 ページ12
Kei side
「 ダイキ、もうそろそろ行こう？ 」
「 うん！ 」
透き通った空がいつもより少し綺麗に見えた。
ダイキの手から温もりを感じて、体にはそよ風、そして、
いつもより多くの星が見える。流れ星も、いくつか見えた。
俺は、もうこの可愛いちっこいのと別れなきゃいけないのか。
俺は、どうしようか。無理に抵抗するのも嫌だし、でも牢獄で餓死するのも嫌だ。
俺の運命は、ダイキの国のやつらに殺られて戦死することなのか。
わかんねぇな。ずっとこのままがいい。
「 ケイ、めっちゃ綺麗！ 」
「 でしょ？これを寝っ転がって見ると気持ちいいの。 」
「 ぃしょっ、……わぁあ！ 」
俺は、夜空なんてもう見たくない。
今はただ、この愛おしいダイキを、ずっと見ていたい。
「 ダイキ…… 」
起き上がると、ダイキは歪んでいた。
ゆらゆらと、はっきり見えなくて。
「 ケイ、なんで泣いてるの…？ 」
「 俺、もっとダイキと一緒にいたかった
もっとずっと 、ダイキと…… 」
「 なんで、ずっと一緒！一緒にいるから！ 」
「 ダイキっ… 」
ぼたぼたと流れて落ちてゆく塩水は一生止まらないんじゃないかというくらい留まることなく溢れ続けた。
悲しくて辛くて、もうどうしようもなくて。
「 ダイキぃっ…… 」
「 ケイ…泣かないで… 」
俺は、ダイキを求めた。
いきなり理由の分からないことで泣き始めた俺をダイキはただただ俺に泣き止んでもらおうと受け止めた。
何も考えず、ただダイキを押し倒してひたすら愛した。ダイキは時々戸惑いを見せたけど、ついてきてくれた。
＿＿＿＿＿
そのうちに夜は開けた。
予想通り今にも兵士は壁を打ち破りそうだ。
ダイキは寝ているうちに暗室へ隠した。
未だにおれはどうしたらいいかがわからない。
悔いはなかったはずなのに。
このままダイキを差し出せば無事に終わりを迎えられるのか。でもダイキの王国、ただじゃ済まないに決まってる。
それに、……ダイキを返せるわけがない。
でも、戦い続けるにしても必ずチカラは尽きる。
俺は、俺はどうしたらいいんだ……。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 140人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「Hey!Say!JUMP」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
いのちる@いのあり信者(プロフ) - 慧Loveさん» 読んでくださりありがとうございます(；；)鼻血が出るまでかっこよく描けていました？(T^T)嬉しすぎます！コメントありがとうございます｡ﾟ(ﾟ^ω^ﾟ)ﾟ｡ (2017年1月5日 13時) (
レス) id: dd04bd7b93 (このIDを非表示/違反報告)
慧Love - 読ませていただきました！黒王子の伊野ちゃんがめっちゃかっこよすぎて、鼻血が出ちゃうくらいです笑伊野ちゃん、攻撃受けなくてよかったー！大ちゃんもよくやったって感じです。二人とも幸せになれてよかったね！ (2017年1月5日 12時) (レス) id: 7a0f01942b (このIDを非表示/違反報告)
いのちる@いのあり信者(プロフ) - やぶんぶん*.さん» あああありがとうございます(；；)頑張ります｡ﾟ(ﾟ^ω^ﾟ)ﾟ｡ (2017年1月5日 10時) (レス) id: dd04bd7b93 (このIDを非表示/違反報告)
やぶんぶん*. - 初めまして！すっごく感動しました！小説で泣いたの初めてです 笑これからも頑張ってくださいね！ (2017年1月5日 9時) (レス) id: 8e8648704a (このIDを非表示/違反報告)
祈散@ねる米魚(プロフ) - 赤メガネさん» ありがとうございます(；；)嬉しいです！拐われたいですよね！ (2016年12月31日 9時) (レス) id: dd04bd7b93 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：い の ち る | 作成日時：2016年12月30日 23時
