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｢あ、Aちゃん!お疲れ様〜｣
私はまたもやバッタリ会ったミヤちゃんを視界に捉えた途端｡
｢うええん、ミヤちゃぁぁあん｣
ガチ泣きした｡マジで｡
｢ど、どうしたのAちゃん!?どこかけがしたの!?｣
困惑しているであろうミヤちゃんの顔が涙でにじんでよく見えないし、訳を話したいけど嗚咽が混じってうまく話せない｡
そしてここは道のどまんなか｡
色んな細胞がじろじろ私を見てくるけど、そんなことにかまっていられる余裕なんかあるはずもなく｡
ミヤちゃんにずるずると引きずられるまま、私はベンチに向かった｡
｢そっか、びっくりして逃げちゃったんだ……｣
うっうっとまだ引っ込まない泣き声を押し込めようと頑張ってみる｡え、何これ無理なんだけど｡
いい歳した、って言ってもまだ新人だけど、ともかく大人の赤血球が泣いている｡しかも道端で｡情けない｡とうとう血小板ちゃんにまで大丈夫?と心配された｡本当情けない｡
｢ど、どうしよ、もし、4989番さんに、嫌われちゃったら｣
嗚咽をこらえながら思ったことを言ってみる｡あ、だめだ、また涙出てきた｡こういう時って思考がどんどんマイナス方向に向かっていってしまう｡
｢Aちゃん、泣かないで｣
再び泣き出した私をミヤちゃんが一生懸命慰めてくれる｡いつもならミヤちゃん可愛いとかミヤちゃん優しいとか考えてるとこだけど、今はそこまで心が追いつかない｡
｢せっかく、お友達に、なれたのに｣
もはや今さらだけど、これ以上泣き顔をさらしたくなくて荷物に頭を乗せて顔を隠した｡あーあ、荷物濡れちゃうじゃん｡
｢Aちゃん｡私、4989番さんはAちゃんのこと嫌いになんてなってないと思うよ｣
顔を上げてミヤちゃんを見る｡ミヤちゃんは真剣だった｡
｢ほんと……?｣
｢うん、きっとそうだよ!4989番さんは友達のことをすぐ嫌いになるような人じゃない｣
ミヤちゃんの話を聞いてたらだんだんそんな気がしてきた｡
そうだよ、だって4989番さんだよ?あんな優しい人、なかなかいない｡
｢ありがとう、ミヤちゃん｡私、4989番さんに会ったら謝って訳を話すよ｣
｢うん!Aちゃんなら大丈夫!｣
ミヤちゃんに心の中で何度も感謝して、私は仕事に戻ることにした｡
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作者名：futureblue�鏡� | 作者ホームページ：http:/
作成日時：2019年9月19日 17時
