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新しいグルコース買ってベンチに座ると、後輩ちゃんに声をかけられた｡ご一緒してもいいですかって｡
びっくりしすぎて勢いでOKしちゃったけど、何話せばいいんだろ｡後輩ちゃんはめっちゃ仕事できるって聞いたが、私は正直ポンコツだからなあ｡ミヤちゃんは研修中、何話してたんだろ｡
｢あの｣
｢えっ!?な、何かなっ!?｣
｢いや……グルコースありがとうございます｣
｢あ、ああ｡こちらこそもらってくれてありがとね｡すごく助かったよ｣
……ああー!会話終わっちゃったよ!頑張って引き延ばせよ、私!もっと繋げられたでしょ!それ好きなの?とか!
こういう時、ミヤちゃんのコミュ力が羨ましくなるなあ｡きっとミヤちゃんなら会話も弾むんだろうに｡つまんない先輩でごめんよ、後輩ちゃん……｡
取り敢えず無言のままはしんどい｡なんか話さなきゃ｡話題、話題……｡
｢ミヤちゃんからさ｣
｢え?｣
｢あ、ごめん｡ミヤちゃんって言っても分かんないか｣
｢先輩のことですよね｣
あ、さすが、優秀だね……｡一発で話が通じた｡
｢そうそう｡後輩ちゃんのこと、すごく褒めてたよ｡仕事できるししっかりしてるって｣
｢先輩が、ですか｣
｢うん、自慢の後輩だって言ってたよ｣
なんか後輩ちゃん、心なしか嬉しそう｡まあ、褒められたら嬉しくなるよね｡分かる分かる｡
あー、微笑ましいな｡私も早く後輩がほしい｡私に先輩役が務まるかどうかは怪しいけど｡
｢先輩も｣
｢うん?｣
｢あなたのことを紹介してもらった時、自慢の友達って言ってました｣
｢……え｣
パドゥン?
マジで?そんな、嘘でしょ｡
｢昔から仲がよくて、いつも助けてもらってる｡感謝してもしきれないって｣
やめて後輩ちゃん｡追い討ちかけないで｡嬉しさのあまり、天に召されてしまうから｡
ってかミヤちゃん、そんなこと後輩ちゃんに言ってたの!?嬉しいけど恥ずかしい……｡
｢私なんか、全然｡まだまだだよ｡後輩ちゃんみたいに仕事ができるわけでも、ミヤちゃんみたいに気遣いができるわけでもないんだから｡先輩に何も言い返せなかったし｣
ああ、そうだ｡私、先輩に何も言い返せなかった｡心の中で怒るばかりで、49さんたちのことちっとも庇えなかった｡きっとあの人たちは今の関係でいられるだけでいいって言ってくれるんだろうけど｡
私は彼らの優しさに甘えていただけだ｡
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作者名：futureblue�鏡� | 作者ホームページ：http:/
作成日時：2019年9月19日 17時
