馬鹿と天才は紙一重 (ページ7)

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「誠大さん、絶対勝ちましょうね」

準決勝の直前、誠大さんの肩を叩いて呼び止めた。

一つ一つの試合を大切にしよう。
そう春高前にみんなに言ったキャプテン、誠大さんの
顔は引き締まっててかっこよかった。

関田「絶対、勝とうな。」

急にどうした、肩力入ってんぞー
と俺の背中を強めに叩いた誠大さん。

「最後の試合なんで、勝ちたいんです。」

誰の最後とかは言わなかった。
俺にとってこれが最後の春高になることも。

関田「今日もAに集めるから、
後先考えずに飛べ。いいな？？」

誠大さんはいつもと違う俺の様子を気にしながらも
いつも通り笑って肩を叩いた。

頼れるキャプテンに俺も笑って頷いたけど、
上手く笑えてたかなんて分からない。

相手は星城。
春高前から話題になっていた石川祐希。

だからか前の試合より格段に観客の数が多くなってる。

うわこれ、星城のペースに飲み込まれるやつ。

そうおもって誠大さんを見ると、不安げな表情を浮かべる
チームメイトに声をかけに行っていた。

やっぱりうちのキャプテン最強。
半人前で頼りがいのないスパイカーにトスをずっと上げてくれた
誠大さんは最高なキャプテンだな。

そんなことを考えていたら試合前で勝っても負けてもないのに
ものすごく泣きたくなった。