馬鹿と天才は紙一重 (ページ6)

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___2013

セッター関田誠大

サイドアタッカー桜井A

インターハイでこの2人の名前をたくさん聞いた。
どこに行っても2人の名前を聞かないことはなかった。

それと同じくらい、星城の石川祐希も有名だった。

自分の名前が独り歩きしてて嫌だけど。

今年の高校バレーは桜井と石川だな、と。
星城と東洋が当たれば面白いな、と。

確かに面白いゲームを俺と桜井くんだったらつくれると思う。
でもそれにはセッターが絶対必要な訳で。

関田さん率いる東洋のゲームを武智と見に行った時、
凄い衝撃を受けた。

安定したトスに打ち分けの上手いこれまた安定したスパイク。

サーブはマサさんを見ているような、でも少し威力の増した感じ。

桜井Aくんの独壇場だった。
会場を魅了して敵サポーターまで巻き込んだ圧巻のショーみたいな。

ただ、かっこよかった。
この人には勝てない、そう思った。

でもいつか、同じコートに立ってバレーしたい。

桜井くんの独壇場が終わるまでずっと端に突っ立って
自分にはできないバレーを眺めていた。

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いつも通りAにボールを集めてきた、今回の春高。

圧倒的な強さを誇ったA。

やっぱり、うちのエースだ。
Aが入学してきた時、マサが連れてきて俺に紹介した。

「次期エースの桜井くん」

そうマサに言われた時にこんな弱そうな子が、
と思った自分は見る目がないと殴りたくなった。