馬鹿と天才は紙一重 (ページ49)

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石川「マサさんーAのバレーってマサさんから見てどうでした？」

「俺から見て？んーどうだろうな。
生まれ持った才能を努力で伸ばす天才って感じ。」

石川「やっぱり天才なんだ。」

「んーやっぱりバレー馬鹿？」

石川「あははっ今のAと変わんないね」

「まあな、事故を経験して現役を引退しても
バレーが好きなのは変わらないんだろ。」

石川「マサさん。オリンピック頑張らないとね。」

「俺らの昔からの夢だからね」

石川「それもそうだけど…」

言葉を濁してコートの方を眺めてまた口を開いた祐希。

石川「バレーの天才でバレー馬鹿。そんなAさんが、
オリンピックを夢みなかったことないと思う。

だからさ、俺たちがオリンピックで結果を残すこと。
それがAさんのためなんじゃないかな。」

「やっぱりオリンピックは夢だったと思う。
いくらイタリア代表でアナリストとして戦ったとはいえ
あの時はまだ選手だったからな。」

石川「頑張ろマサさん」

「気負いすぎんなよ」

分かってる

そう俺に返して西田に絡みに行った祐希。

Aの方を見ると車椅子に座ってパソコンを眺めながら
スマホに向かって喋ってた。

ノートに書き込みが出来なくなったから
Aは分析した内容をスマホで録音してる。

その内容を的確に教えてくれるAは俺らの大切なアナリストであって
大切な仲間の一人。