馬鹿と天才は紙一重 (ページ43)

今日:36 hit、昨日:3 hit、合計:96,587 hit

43 ページ43

✕

W杯直前。

監督もマサさんに声をかけてみんなを集めてもらった。

「えーっとみんなに話さないといけないことがあって
集まってもらいました。
多分、みんな気になってた事だと思うけど聞けなかったと思うから
自分からみんなに話しておきます。」

みんなの顔を見れば、不思議そうな顔してる。笑
まあ、そうだよな。

「俺は1995年に東京で生まれました。
生まれてから5歳までの間、両親からの虐待と育児放棄されました。

それで、5歳の時に養護施設に保護されてそこの園長の名字を名乗って
"桜井A"という名前で生き始めました。
多分みんな知ってると思うなーうん、この名前で春高出てたし。

その後、17で養子縁組が成立して"八雲A"という名前になりました。
イタリアへ渡ってセリエAでバレーを続けました。

こんな感じかな、俺の生い立ち。」

質問ある？

と聞けば上がるたくさんの手。

関田「なんで3年の春高出なかった？」

「3年までいたら新しい父さんの事業が成功してなかったから。」

石川「イタリアは？どうだった？」

「楽しかったよ、トレンティーノでバレーするの。
シモーネとかもいたしね。」

柳田「後悔はない？バレーに対して。
俺らのアナリストになって苦しくない？」

マサさんの遠慮のない直球な質問に声が詰まった。