馬鹿と天才は紙一重 (ページ36)

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「リハビリ頑張ったよ、俺。」

歩いてきた俺を目を見開いて見つめる邦さん。
その目からは涙が零れてて。

清水「頑張ったな。よく頑張った。」

「うん、辛かったけどね。」

清水「それと、」

"Aが生きててよかった"

そう涙声で俺をまっすぐ見て言った邦さん。
その言葉に俺も涙が溢れてきて。

俺を見て目を細めて泣きながら笑って、
俺の髪の毛をぐちゃぐちゃにした。

「俺も、邦さんにもう一回会えてよかった。
死ななくてよかった。」

邦さんは泣き続ける俺を強く抱きしめてくれた。
俺は左手を邦さんの背中に回した。

しばらく経った時、俺の背中に回ってた邦さんの手が
俺の右手に優しく触れた。

清水「…大丈夫だから。」

低く耳元で聞こえる声に安心しきって体の力を抜いた。

びっくりしたのか、邦さんは俺を横抱き、
所謂、お姫様抱っこをしてベッドにのせた。

清水「A、みんなに連絡してやって？
関田も山内も会いたがってたから。」

「ほんと？ちゃんと連絡しなきゃな。
あのね邦さん。俺さ、これから日本にいようかなって思ってる。」

清水「え？まじ！！
えーもうパナのスタッフになりなよ。」

「まじまじ。俺が？パナの？
車椅子の人間は使えないよ。」

自分で言って自分で悲しくなった。