馬鹿と天才は紙一重 (ページ32)

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左側脳出血による右半身不随

検査でAに出された結果だった。

事故で撥ね飛ばされた時に脳を強打し、脳出血。
そして、右側が麻痺してしまった。

この右半身不随とは、脳梗塞の後遺症に多い。
事故でこうなってしまうのは珍しい症例だった。

この結果を検査室で知らされたAは、
パニックに陥り、鎮静剤で眠っていると聞いた。

「Aはまたバレーできますか？」

医者「恐らく、もうバレーはできない。
リハビリをしても2足で立つことが最高だろう。」

医者に聞いたことを後悔した。
知識を持った医者に聞けば、正しいことしかかえってこないから。

次の日、俺からAとシモーネに伝えた。

Aは唇を強く噛んでいた。
シモーネはAの前で涙を見せなかった。

もっとAの近くにいたかったけど、
俺は俺で試合や練習もある訳で帰らざるを得なかった。

Aをシモーネに託して。

そして、マサさんと清水さんに連絡するか迷ったけど、
俺から連絡するのはやめた。

Aの口から伝えるのが一番だろうから。

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何で俺なんだよ。

何で右手が、右足が動かないんだよ。

何で生き残ったんだろう。

何でこうなったんだろう。

誰か、助けてよ。

俺にもう１回バレーをやらせてよ。