馬鹿と天才は紙一重 (ページ27)

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✕ No side

一瞬の出来事だった。

ファンの女性と話しながら彼が信号を待っていた時、
その場には彼を含めて4人いた。

紺色のショルダーバッグを持った八雲。

八雲と話すファンの60代位の女性。

スーツ姿の若いサラリーマン。

同じくスーツ姿の40代位のサラリーマン。

この4人が信号を待っていた時、
高速で走ってきた車が交差点に突っ込んだ。

4人を撥ね飛ばし、電柱へぶつかって止まった車。

恐る恐る4人がいた場所を見ると、惨劇だった。

交差点の真ん中まで飛ばされて血を流し横たわる八雲。

場所はそのままだが身体が変な方向へ曲がった男性2人。

1番初めに車がぶつかった女性は体が2つに切れていた。

誰かが言った。

「これは誰も助からないな。」

「救急車呼ぼう。」

「八雲、調子よかったのに。」

すぐに到着した救急車に乗せられて運ばれて行った4人。

交差点には八雲のバックに入っていたであろう、
黄色と青色のバレーボールが転がっていた。

事故を起こした車側の加害者は、
警察に連行されて行ったが、明らかに普通ではなかった。

後に発表された情報によると、覚せい剤を服用していたらしい。

そして、八雲以外の3人は搬送された直後、
病院で死亡が確認された。