馬鹿と天才は紙一重 (ページ24)

今日:25 hit、昨日:3 hit、合計:96,576 hit

24 ページ24

✕ No side

___2016

W杯で2位という成績を納めたイタリア代表は、
リオデジャネイロオリンピックに出場した。

そこにはW杯でイタリアの活躍に大きく貢献した
日本人天才アナリスト、八雲Aの姿もあった。

「日本はサーブで崩してくるのは分かってんだろ？
じゃあ勝つためには何が必要？」

膨大な情報を管理し、それに基づいた的確な分析。

自分の分析を選手に押し付けるのではなく、
選手自ら考えさせる。

それが、彼のやり方だった。

日本人である彼には、選手達との間に、
些細な言葉の壁が存在する。

上手く言いたい事が伝わらず、彼がフラストレーションを感じ、
空虚を見つめたり、苦しむ様子があった。

だが、彼と仲のいいシモーネを中心とした選手達が、
彼の言いたいことを彼のイメージやジェスチャーを読み取って理解する。

今のイタリアが強いのは、こうした
アナリストと選手の関係性が大きく関わっている。

リオ五輪。

彼は今まで使っていた敵国の情報を一新した。
必ず、やり方を変えてくると分かっていたからだ。

それの読みは的確で、決勝トーナメントに進出。

そこでも順調に勝ちを積んでいき、3度目の決勝は
アテネ以来の顔合わせとなったブラジルだった。