馬鹿と天才は紙一重 (ページ1)

今日:41 hit、昨日:3 hit、合計:96,592 hit

1 ページ1

✕

___2012

「ただいまー」

「「「「「おかえりー！！！」」」」」

部活が終わって"家"に帰るとまだ帰ってなかったのは俺だけで
ご飯を終えた子供たちは靴箱で遊んでいた。

「A、おかえりなさい。
園長先生もご飯まだだから着替えたら一緒に食べなさいね？」

俺に話しかけたのは園長の娘のみい先生。

この"家"には住み込みで働く3人の先生、桜井家と
通ってきてくれる4人の先生、
約40人の幼児から高校生で生活している。

「はーい、今日の晩御飯なに？」

「ぶりの照り焼き。
あ、あんたたちもう消灯の時間よ！早く寝なさい」

みい先生は慌ただしく靴箱を出て
走って逃げた子供たちを追いかけて行った。

俺も靴箱を出て高校生になってやっともらえた一人部屋に向かった。

東洋高校の制服を脱いで部屋着に着替えてバレーの服を持って
食堂へ向かう。途中で洗濯機に服を入れた。

ここは児童養護施設「桜井学園」
親が事故などで死亡したり親からの育児放棄によって
捨てられた子供たちがたくさんいる。

施設の中でも普通の家と同じように靴箱もあって
ご飯もあってお風呂もあって洗濯機もある。

そして普通の子と同じように学校に通えて部活もできる。
県からの社会福祉費で賄ってる部分はあるけれど。

俺は東洋高校に学業特待生で進学した。
そして中学生の頃から始めたバレーを続けることにした。