# 君の記憶が消え去る前に。Ⅲ (ページ20)

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▽ ページ20

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〔佐久間〕

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あの時舘さんがぼーっとしてた時か。
だから俺の声が聞こえなかったのかもしれない。

成る程、と納得していると、

横から呟くような、誰かの声が聞こえた。

「……なんで、」

そしてその声の主は翔太のようで、

翔太の隣に座る舘さんにも届いたようだ。

「ん？」
「……なんで、涼太が」

なんで涼太が？
何の話だろう、これには舘さんも首を傾げている。

「写真のように、記憶が映し出される……」

翔太の声が、はっきりと聞こえた。

もしかしたら、その事について何か聞きたい事があるのかもしれない。

ほら、周りのメンバーも

翔太とか舘さんとかに聞きたい事がありすぎてモゾモゾしてるもん。

「どうしたの、翔太」

うわ言のように何で何でを繰り返す翔太に、
舘さんが問いかける。

そして翔太は舘さんを見上げて、

ひとこと。

「……あの時、涼太が、再生ボタンを押したの？」

なにを言ってるか、

俺には理解不可能だった。

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