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笹木 啓太 ページ9

「それで――
…です。

――――それから、降谷さん...申し訳ありません。
例の人物、まだ居場所が掴めません」

『…了解。引き続き頼む』

スマホから、風見の申し訳なさそうな声を反芻しながら、
降谷は小さなため息をついた。

(深手という訳ではなかった、のか…?
一体、どこに…)

組織が関係しているか、確証はない。
あれから、組織のミッションはなく、組織の人間との接触はしていない。

“どちらが”狙われたのか、
あるいは、”どちらも”狙われていたのか、
それも定かではない。

しかし、少なくとも片桐Aをこのままにしておくことは困難だ。
そう判断し、組織に狙われている可能性がある人物、として、
保護、必要であれば拘束するようにと、指示を出したところだ。
あの日、あの場に、BAR Adler前にいた事実のみ伝えている。
狙撃のターゲットだった可能性がある、と。

しかし、自身との関係について、その詳細までは伝えていない。

小石川は、
あの後救急搬送されるも、その夜死亡が確認された。
確実に、心臓を撃ち抜かれた訳ではなかったようだ。
しかし、Aが密着していたために焦点が外れてしまっただけなのか、
あるいは、本来狙われていたのはAの背中だったのか、
それは、分からない。

降谷は狙撃手ではないにせよ、
電柱や掲示板、電灯が並んでいたあの路地では、
焦点を確実に合わせるのは、困難だったであろうことは推測できた。



「…難しい顔、してるね?」

『え?』

足元を見ると、
そこにはコナンの姿。

ポアロの店先で、さりげなく電話をしていただけなのだが、
この子は本当に顔色や雰囲気を読むのに長けている。

降谷、いや、”安室”は、
いつぞやと同じような感想を、
またも頭に浮かべた。

「何かの事件、とか?
…そういえば2日前、杯戸町で事件があったよね。
男の人が射殺…された」

『…良く知ってるね?』

「DNA鑑定から、殺された男の人とは違う、
もう一人の血液が検出されたって、ニュースで言ってたよね。

…犯人と、殺された男の人以外にもう一人いたってこと...だよね。

殺された人、暴力団とは関係ないみたいだし、
何か――」

『あまり危ないことに首をつっこまない方が良いと思うよ?
じゃあ、僕は仕事に戻るね』

“安室 透”のスマイルで、降谷はニコリとコナンに微笑み、
そのまま店内に戻っていった。
コナンは、納得行かないような、
鋭い瞳で、閉じられたポアロのドアを見つめていた。

笹木 啓太_2→←標的 (ターゲット)_3



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設定タグ:名探偵コナン , 安室透 , 降谷零   
作品ジャンル:アニメ
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white12(プロフ) - さちさん» >さち様 とても嬉しいコメントありがとうございます!大変励みになります。更新にはややムラがあり申し訳ないですが、これからもご愛読頂けたら嬉しいです! (2019年7月23日 8時) (レス) id: 1425135a30 (このIDを非表示/違反報告)
さち - すごくおもしろいです。続きが気になりました。よろしくお願いします。 (2019年7月23日 2時) (レス) id: 546dffdabd (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:white12 | 作成日時:2019年7月21日 10時

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