デジャヴ_2 ページ49
「…やっぱり、消せないの。
だから、
貴方の提案は受け入れられない。
でも、
ここにいるのは、
たった今、退院手続きを終えたのは、
“早川 瑞希”、よね？
…安室、さん？」
周囲には聞こえないように、
声のトーンを落としながら、
敢えて、”降谷さん”とは言わないA。
周囲を気にしてか、
あるいは、”早川 瑞希”と”降谷零”に繋がりを持たせないためか、
有無を言わせない口調で、
自身のそれよりはるかに高い降谷の目を見上げるように、
視線を送る。
「…早川瑞希は、
見知らぬ警官に助けられて、
ここに運ばれた、だけだって、
聞いてるわ。」
『…。
保護対象としての監視は…
外せないぞ。
それと――』
Aは小さく口元を緩めると、
すっと右手を差し出した。
「じゃあ―――
改めて、かしら。
…早川 瑞希、よ。
よろしく、安室さん？」
『…』
いつぞやのデジャヴのような会話に、
降谷は、
Aの部屋で、
自身の葛藤を吐露したあの日の光景を思い出す。
不思議な関係が始まった、あの日を。
そして、
何とも複雑な表情を浮かべ、
ため息をつきながら、
その手を、
早川瑞希の差し出した右手を軽く、握り――
『...くれぐれも、お大事にしてくださいね？』
強引に退院した彼女をチクリと責めるかのような言葉をかけた。
“安室 透”、として。
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white12(プロフ) - さちさん» >さち様 とても嬉しいコメントありがとうございます！大変励みになります。更新にはややムラがあり申し訳ないですが、これからもご愛読頂けたら嬉しいです！ (2019年7月23日 8時) (
レス) id: 1425135a30 (このIDを非表示/違反報告)
さち - すごくおもしろいです。続きが気になりました。よろしくお願いします。 (2019年7月23日 2時) (レス) id: 546dffdabd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：white12
| 作成日時：2019年7月21日 10時
