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早川 瑞希 ページ38

ぼんやりと、
小さく目を開ける。

ゆらゆらと揺らめく光と、
無機質な白。

そして、規則的な、高周波音。

(…。知って、る…。)


どこかで聞いたような、
ついさっき、聞いたような、
そんな感覚を覚えながら、
再び目を閉じる。

しかし、その意識は深い波に飲まれることはなく、
次第にもやが晴れるように、
少しずつ鮮明に、なる。

(…私…

ここ…、どこ…)


ゆっくりと、
しかし、今度ははっきりと目を開く。

ぼやけた視界が、次第にクリアになっていく。


白――
い、天井。

視線だけ、横に移すと、

同じく、白い、柵。
そして、白い布。

規則正しい高音は、相変わらず鳴り響いている。

(…ベッド。

…病院…?)


小さく、パタパタという音が近づいてくる。

そして、


コンコン…

ガラッ

小さなノック音に続いて、
低音の、ドアの開くような音。

Aはとっさに、目を閉じた。


ここがどこか分からない以上、
安全かどうかも、分からない。
入ってこようとしている人物が、
誰かも、到底分からない。

思考はまだクリアになっていないとはいえ、
とっさの判断。
刑事として染み付いた瞬時の判断、だ。


「…早川さん。
点滴、替えますね?」


落ち着いた女性の声。
小さく、Aに話しかけるように、落とされる声を、
目を閉じたまま、ぼんやりと反芻するA。

(…はや、かわ?)

少し前に聞いたような、
カチャカチャという音。

ものの1分ほどで作業は済んだようで、

「…お大事に、してくださいね」

と小さな声とともに、
パタパタという足音と、
再びドアの開く音。

空間には、高音で鳴り響く音、
点滴の、機械音、のみ。

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設定タグ:名探偵コナン , 安室透 , 降谷零   
作品ジャンル:アニメ
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white12(プロフ) - さちさん» >さち様 とても嬉しいコメントありがとうございます!大変励みになります。更新にはややムラがあり申し訳ないですが、これからもご愛読頂けたら嬉しいです! (2019年7月23日 8時) (レス) id: 1425135a30 (このIDを非表示/違反報告)
さち - すごくおもしろいです。続きが気になりました。よろしくお願いします。 (2019年7月23日 2時) (レス) id: 546dffdabd (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:white12 | 作成日時:2019年7月21日 10時

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