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詰問_2 ページ30

残された降谷は、
ただ、
ぼんやり、右手を、
手のひらを見つめていた。

自身が引き金を引いたわけではない。
しかし、刹那、飛び散った液体は、
確実に降谷の右手を染めた。

あれから1週間が経った。
しかし、その感覚は鮮明に残ったまま、
消えてはくれなかった。

触れることは出来なかった。
横たわる、青ざめたAの顔。

眉をひそめ目を瞑る降谷は、
静かに、苦しそうな息を吐いた。


「…降谷零さん、ですよね」


『…!』

一瞬、先ほど風見に向けたような鋭い目をするも、
すぐに平静を装って、振り向く降谷。

目の前には、
自身や風見よりもやや小柄な、
若い男の姿。

『…どちら様、ですか?

僕は、安室と言う者ですが…
人違いでは?』

「…警察庁警備局警備企画課所属、

…公安警察ゼロ所属の、
降谷零さんですよね」


“安室”と名乗った、降谷の目がまたも鋭くなる。


『…どちら様ですか、と聞いているんだが』

「笹木啓太と言います。

警視庁サイバーセキュリテイ対策本部に、
所属しています」

『笹木…』


(そういえば、風見が言っていた。
片桐Aの...、元部下だった人物だ。

…あの日、狙撃があった日、
要請される所属でもないはずなのに、
何故かBARの近くの防犯カメラに映っていた、人物。)


「…あの風見って人、尾けてきて正解でした。
貴方に会えるなんて」

『尾けて、きた…?』

「一応、半年前までは刑事だったんです。
それに、”そういう”のは得意な方なんで…」


風見にとっては、
“それでも公安か…!”
と、いつぞやのように、怒鳴られるべき状況だ。


(僕のことを…、知っている。
片桐Aの、元部下…。

協力者…、

協力者”だった”人物、か…?)


『…僕に何の用だ?』

「…。」

『話があるのでは…?』

「…どうして、
片桐さんは、死んだんですか…」


絞り出すように、言葉を漏らす笹木は、
殺気立ったような目を降谷に向けた。

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設定タグ:名探偵コナン , 安室透 , 降谷零   
作品ジャンル:アニメ
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white12(プロフ) - さちさん» >さち様 とても嬉しいコメントありがとうございます!大変励みになります。更新にはややムラがあり申し訳ないですが、これからもご愛読頂けたら嬉しいです! (2019年7月23日 8時) (レス) id: 1425135a30 (このIDを非表示/違反報告)
さち - すごくおもしろいです。続きが気になりました。よろしくお願いします。 (2019年7月23日 2時) (レス) id: 546dffdabd (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:white12 | 作成日時:2019年7月21日 10時

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