検索窓
今日:17 hit、昨日:19 hit、合計:139,402 hit

笹木 啓太_3 ページ11

「…誰かに知られたら、
言ってたとおりに話してくれれば良いから。

全部、私が勝手にやったこと。
現に銃のことは貴方は知らなかったこと、だから。

貴方が私に情報を漏らしたのも、全部、脅されてやったこと。

…そう話してくれれば良いから。
そうして、欲しい。」

“元”上司からの指示、
いや、願い、というように、
Aは小さな声で笹木に告げた。


「…。

防犯カメラの映像を見て、
通報があったって聞いて、
…もしかしたら、片桐さんが撃ったんじゃないかって、
背筋が凍りました。

でも、
何で、片桐さんが撃たれてるんですか…!」

「…。」

「……。

見つかって、良かった…。」

腕や腹から血をにじませたAを前に、
静かに言葉を漏らしていた笹木は、
もはや限界だというように、
憤怒を滲ませたような言葉を投げた。
しかし、それでも何も言おうとしないAに、
笹木は、深入りすることはしなかった。


「…一応、見つかりたくない、立場なんだけど。
この格好で…

…ここで、しばらく隠れておくつもりだったんだけどね…」


相変わらず乱れた息で、
強がりのような挑発的な視線を向けるA。


「多少見た目が変わってようが、分かりますよ。
最新の防犯カメラ、ナメちゃダメですよ。…知ってるでしょ?

それに…結構長く一緒にいたんですし、
こういう危ない時の片桐さんの行動パターンくらい、
何と無く、のレベルで分かるようになった気がします」


Aにとっては、
そうあっては困る、という状況なのだが、
情けないことに今の状況を1人で何とか出来る自信も、無かった。

笹木はそのまま、何も聞かず、
とにかく治療が優先だ、と言うように、
Aを自身のジャケットで包むと、
近くに停めてあるという自身の車へ誘導した。

そして、
周囲を警戒しながら、また、捜査の都合上詳細は話せない、としながらも、
警察病院でAに最低限の応急処置を受けさせると、
匿い保護するため、
笹木は彼女を自身のマンションへと連れて行ったのだ。



それから、2日後の夜。

傷口は塞がっているとは到底言えない状態だったが、
とりあえず、と、笹木が適当に買ってきてくれたカットソーからは、
血が滲むことは、ない。

Aは笹木の不在を見計らって、
そっと部屋を後にしたのだった。

拘束→←笹木 啓太_2



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (64 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
143人がお気に入り
設定タグ:名探偵コナン , 安室透 , 降谷零   
作品ジャンル:アニメ
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

white12(プロフ) - さちさん» >さち様 とても嬉しいコメントありがとうございます!大変励みになります。更新にはややムラがあり申し訳ないですが、これからもご愛読頂けたら嬉しいです! (2019年7月23日 8時) (レス) id: 1425135a30 (このIDを非表示/違反報告)
さち - すごくおもしろいです。続きが気になりました。よろしくお願いします。 (2019年7月23日 2時) (レス) id: 546dffdabd (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:white12 | 作成日時:2019年7月21日 10時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。