BAR Adler_2 ページ2
集団のメンバーは、
このBARで度々確認されていること、
そして、リーダーと思われる人物が経営しているBARであることから、
ここは、おそらく集団の拠点だ。
『店内には？』
「2名潜入中です。
店の入口にも1名待機しています。
同じく、まだ怪しい動きはないようです」
『…メンバーからの情報なら、
怪しい、かもしれないが…
風見はここで待機していろ。
それともう1名、応援をここに。
僕は中に入る。』
「え？」
BARは、全体を見渡すのにそう困らない程度の広さだ。
中に2名待機している、と伝えたはずだが…
と、風見が少し困惑した顔を見せるも、
上司である降谷に軽く敬礼をして、
入口に向かう彼を見送った。
――
チリン…
小さな鈴のような音とともに、
降谷は店内へ足を運んだ。
ほんのりした灯りがちらほらと設置された程度の、薄暗い空間。
軽く見渡すと、
客は十数名の男女。
奥のカウンターに1人座って、
さりげなく店内に目を向けている人物が目に入る。
そして、同じく奥のテーブル席に、
1人で座っている男。
どちらも降谷の部下だ。
2人はやや驚いた様子を見せるも、
すぐに、”ただの見知らぬ客”の姿に戻る。
情報通り、”大きな取引”なのであれば、
少なくとも複数名同士での取引。
普通に考えれば、裏口を使ったものになるだろうが…。
店内のテーブル席には、
降谷の部下を除けば、
カップルや男同士で2名ずつで座る客のみ。
カウンターには、カップルが1組、あとは1名で座る客のみ、だった。
取引…のような場面も、見られない。
カウンターの、
部下とは離れた席へ腰を下ろす降谷。
『バーボン、を。』
自身のコードネームでもある酒を頼み、
初めての店に興味がある、という様子で一瞥する。
店内の客は、
静かにグラスを傾けているか、
談笑しているのみ。
特に、何かを渡しているような様子は、ない。
風見の言う通り、
確かに、まだ、怪しい動きは見られないようだ。
すっと運ばれてきたバーボンに、
軽く口をつけ、
店内が見渡しやすいよう、
降谷は空いているテーブル席へ移動する。
そこに――
チリン…
小さな鈴の音とともに、一人の女性が現れた。
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white12(プロフ) - さちさん» >さち様 とても嬉しいコメントありがとうございます！大変励みになります。更新にはややムラがあり申し訳ないですが、これからもご愛読頂けたら嬉しいです！ (2019年7月23日 8時) (
レス) id: 1425135a30 (このIDを非表示/違反報告)
さち - すごくおもしろいです。続きが気になりました。よろしくお願いします。 (2019年7月23日 2時) (レス) id: 546dffdabd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：white12
| 作成日時：2019年7月21日 10時
