被疑者との面会_3 ページ17
10日前に起きたコンビニ強盗事件。
現金は奪われなかったが、もみ合った際に店員がナイフで切りつけられた。
事件の2日後、強盗傷害罪で、状況証拠から木本が被疑者として拘束された。
当初は否認していたものの、5日後に一転して自白。
しかし、初公判を控えた2日前に、今度は、自白は強要されたと主張。
昨日、飯野から聞いた通りだ。
「お前がやったんだろ、って何度も何度も…!机とか椅子とか蹴りながら言われたら…!」
アクリル板越しに、葵と神山にそう主張する木本に、
静かに彼の話を聞いていた葵が口を開く。
『そうですか…。
飯野先生から聞いたお話とも特に矛盾はなさそうですね。
木本さん、貴方が取り調べの際に言われた暴言や、あるいは暴行について、覚えている限り教えて頂けますか?』
メモとボールペンを取り出し、木本に問いかける。
その横で、神山はさきほどから細々とメモを続けている。
「だから…
最初は普通に色々聞かれてたんだけど、だんだん口調が荒っぽくなってきて、
机を蹴られたり」
ゆっくり頷きながらメモを取り、話を促す葵。
「あとは、机を両手でバンっと何度も叩かれたり…
どうぜお前がやったんだろ、クズみたいなお前が…って…」
木本の目線が横に移動し、声のトーンがわずかに下がる。
『…他にはありますか…?』
少し口を閉ざした木本に、葵が続きを促す。
「それから…!防犯カメラにお前が映ってるんだ!お前がやったんだ!って、何度も耳元で叫ばれて…」
その言葉に、ふっと目線を葵たちの方へ戻し、木本は声高に怒りのような興奮したように話を続ける木本。
木本の表情や声のトーンが変わるタイミングを、葵は注意深く見ていた。
「そ、それからイスを蹴り飛ばされたことも…!」
なおも、木本は興奮気味に続け、
神山は、葵とともに、
木本が取り調べを担当した刑事から受けたと主張する暴言や暴行の数々を書き記した。
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作者名:white12 | 作成日時:2019年7月1日 21時