32-07 目を養う必要 ページ7
■ Ju-Ni ■
仕事に向かう準備はいつも俺がする。
俺の師匠であるﾃﾕﾝさんのｵﾌｨｽは二階に機材室や暗室があり、今日使うものを準備して車に運ぶ。
俺がせかせか動いている間、ﾃﾕﾝさんは一階にあるｿﾌｧに座って熱心に何かの本を見ていた。
「準備完了です。さっきから何を見てるんですか？」
質問を投げながら対面側のｿﾌｧに腰を落してﾃﾕﾝさんが手に持っている本が写真集だという事に気づいた。
「あ、またそれ見てたんですか」
TaeWoo…テウという写真家が撮った作品で、ﾃﾕﾝさんが凄く気に入っている写真集だ。
他のｶﾒﾗﾏﾝや写真家が撮ったものなんて殆ど見ない人なのに、たまーにこうして気に入ったものを見つける。
ﾃﾕﾝさんは人物を撮るｶﾒﾗﾏﾝだから決まって風景写真家の作品だ。
風景の中でも、このテウという人の写真は空一本。
あまり有名じゃないみたいで写真集の出版数も少ないらしく、俺は全く知らなかった。というのもあまり素性を明かしていない方なんだそうだ。
ﾃﾕﾝさんもゆっくりしている事だし、俺も時間になるまではと思って携帯を確認すると、ｼﾞｭﾝｽからのﾒｰﾙとｼﾞﾆｮﾝからの着信があった。
どうやらﾋｮｸに連絡してくれたようで、二人のｽｹｼﾞｭｰﾙの空きが分かり次第また連絡すると書かれてあった。
返事を打ちながらもｼﾞﾆｮﾝの事が気にかかり、思わず溜め息をつかずにはいられない。
「ﾄﾞﾝﾍのやつ…」
「ん？何かあったのか？」
「ほら。前にｿﾝﾐﾝ兄さんと偶然会った時に軽く話したじゃないですか。その事でちょっと…」
「あぁ、お前が協力してやってるっていうやつな。どうなったんだよ」
「それが…ﾄﾞﾝﾍには好きな人がいるらしくて、俺が協力している子は振られたんです。でもどうにかしてやりたくて」
「あぁ、なるほどなぁ…。その女の事は放っとけ」
「えっ？何でそうなるんですか！俺の話聞いてましたか？ﾄﾞﾝﾍの事が凄く好きだから何とかしてやりたいんです！」
大きく反論したらﾃﾕﾝさんはうんざりするようにでかでかと息を吐き出す。
「前から思ってたが、お前は目を養う必要があるな。逆にﾄﾞﾝﾍは良い顔するようになっただろうなぁ」
立ち上がって出口へと向かうﾃﾕﾝさんの背中に、俺は舌を打ちたい気分だった。
目を養う必要があるのは皆の方だろ。
俺がどうしてｼﾞﾆｮﾝの力になってやりたいと思ってるのか。それも知らないくせに好き勝手言いやがって…。
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さく - はじめまして。SJを好きになって日が浅いですが、この作品に出会ってから毎日夢中になって読ませてもらっています。モジョさんの作品が好きです。ハラハラしてドキドキして、心があったかくなって、読んでる時が幸せだな〜って感じます。私にとっての栄養剤みたいです。 (2018年6月12日 0時) (
レス) id: 79ba6e646e (このIDを非表示/違反報告)
舞桜(プロフ) - 何年か前にこの作品に出会って途中でリタイアしてしまいました。でもスジュが好きでこの作品の結末も気になってもう一度探し出しました。完結迄読みたいと思いました。 (2017年5月14日 16時) (レス) id: 4b160cd092 (このIDを非表示/違反報告)
じゅじゅ - 初めてまして！ﾓｼﾞｮさんのお話が凄く凄く好きです！続き 楽しみにしています！待ってます！！ (2016年3月2日 23時) (レス) id: dc004aa27f (このIDを非表示/違反報告)
かのか(プロフ) - おぉう！核心にジリジリ迫ってきております？あたしはこの中じゃシンドンタイプですな。こんなにあれこれ考えられないー！ (2015年2月6日 22時) (レス) id: 171b30f749 (このIDを非表示/違反報告)
ﾓｼﾞｮ(プロフ) - かのかさん» かのかｵﾝﾆ☆ わーい！ｵﾝﾆがSJの魅力に気づいてくれたー！スパショは面白いだけじゃなく、笑いあり涙ありでハマること間違いなしです！是非一緒に行きましょー！あ、あの動画見ました？ﾓｼﾞｮも爆笑でした！ｼｳｫﾅが急上昇中！ (2014年12月28日 1時) (レス) id: dbc4381dc9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ﾓｼﾞｮ
| 作成日時：2014年5月30日 4時
