32-20 夜 ページ20
■ YeSung ■
幾ら考えても納得行く答えが出て来ない。これでは気になる存在から進展しない。
溜め息を吐いた時、突然のｿﾝﾐﾝの大きな声で我に返った。
ｿﾝﾐﾝは座席に膝をつく状態で後ろに振り向いていて、すぐにｼﾝ・ｼｳの注意する声が飛んで来た。
どうやらｿﾝﾐﾝだけではなく、何故かﾄﾞﾝﾍも立ち上がっていたようだ。
周りの状況が全く分からないほど考え事に集中していたが、改めて思うと何でこんなに考える必要があるんだ。
気になるとは言え、人柄も分からない内からその人を見ようと思う事自体おかしいんだ。
それよりも今、俺には他に考えなければいけない事がある。
Aの事だよ、ｳﾆｮｸ！
…と、勢い良く隣に顔を向けると、ｳﾆｮｸも何か考え事をしているのか、親指の爪を噛みながら瞬きもせずに一点を見つめていた。
おいおい。それやったらﾘｮｳｸやｷｭﾋｮﾝに怒られるんだぞ。
「ｳﾆｮｸ？ちょっといいか？」
様子を窺いながら声を掛けてみたが、俺の声も聴こえない程に集中しているらしい。
どうしたもんかと少し困っていた時に突然後方からｲﾄｩｸ兄さんの雄叫びが飛んで来た。
本当に驚くほど大きな声で、さっきは俺の声も耳に入っていなかったｳﾆｮｸでさえも身体をびくつかせた。
「え…？今の何？何事？」
状況報告をするべく後ろに振り返った時、前方でｶﾝｲﾝが怒鳴り声を上げた。
何で僕が怒られなきゃいけないんだと泣きそうにしながら頬を押さえているｲﾄｩｸ兄さん。
「ｲﾄｩｸ兄さんが頬押えながら痛そうにしてる。虫歯か…？」
怒られたｲﾄｩｸ兄さんは今はもう小声で話しているし、周りはまだ騒いでいるから何を話しているか聴こえないが、俺が思うにﾋﾁｮﾙ兄さんに助けを求めていると見た。
そのまま報告すると、余計悪化しそうだと言ってｳﾆｮｸは顔を引きつらせる。
「なぁ、ところでAの事なんだが…」
「その事はまた後でね。ねぇ、兄さん。夜の予定空けといてくれる？」
「……夜」
「うん。それからこれも…」
ｳﾆｮｸがそう静かに言い口元に人差し指を立てるから他の皆には内緒という事だと解釈し、俺も口に人差し指を押し当てて頷きを返す。
今日の夜、ﾋﾁｮﾙ兄さんと俺。きっとｳﾆｮｸが連絡を取っていた相手に会わせてくれるのだろう。
咄嗟に頭に浮かんだ顔があったが……。夜になるまで、うん。大人しく待とうか。
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さく - はじめまして。SJを好きになって日が浅いですが、この作品に出会ってから毎日夢中になって読ませてもらっています。モジョさんの作品が好きです。ハラハラしてドキドキして、心があったかくなって、読んでる時が幸せだな〜って感じます。私にとっての栄養剤みたいです。 (2018年6月12日 0時) (
レス) id: 79ba6e646e (このIDを非表示/違反報告)
舞桜(プロフ) - 何年か前にこの作品に出会って途中でリタイアしてしまいました。でもスジュが好きでこの作品の結末も気になってもう一度探し出しました。完結迄読みたいと思いました。 (2017年5月14日 16時) (レス) id: 4b160cd092 (このIDを非表示/違反報告)
じゅじゅ - 初めてまして！ﾓｼﾞｮさんのお話が凄く凄く好きです！続き 楽しみにしています！待ってます！！ (2016年3月2日 23時) (レス) id: dc004aa27f (このIDを非表示/違反報告)
かのか(プロフ) - おぉう！核心にジリジリ迫ってきております？あたしはこの中じゃシンドンタイプですな。こんなにあれこれ考えられないー！ (2015年2月6日 22時) (レス) id: 171b30f749 (このIDを非表示/違反報告)
ﾓｼﾞｮ(プロフ) - かのかさん» かのかｵﾝﾆ☆ わーい！ｵﾝﾆがSJの魅力に気づいてくれたー！スパショは面白いだけじゃなく、笑いあり涙ありでハマること間違いなしです！是非一緒に行きましょー！あ、あの動画見ました？ﾓｼﾞｮも爆笑でした！ｼｳｫﾅが急上昇中！ (2014年12月28日 1時) (レス) id: dbc4381dc9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ﾓｼﾞｮ
| 作成日時：2014年5月30日 4時
