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世界が終わる日 ページ1






今日は地球が滅亡する日。



ノストラダムスだかなんだか、とにかくすごい予言があって今日は人間が消える日らしい。



それを信じているのか信じていないのか、いつもより興じてカメラを構える記者に、いつもと変わらず重たい鞄を持つスーツ姿の大人たち。






「おい、そこの」






雑踏の中、綺麗に白い髭を生やした目の青いおじいさんが杖をついていない方で手招きした。






「異邦人か?」

「おじいさん、見かけで判断しちゃだめだよ」

「はは、それは失礼。」






おじいさんはポケットから小さな包みを取り出し、一つ手の上に乗せてくれた。

包まれていた透明な赤色のキャンディは甘いイチゴの味がした。






「君の友達はみんな今日で世界が終わるから一生懸命だけど、君はいいのかい?」

「うーん、いつもより一生懸命に生きてるよ」






おじいさんはクリスマスの時期に現れる白い髭のおじさんと似た笑い方をして、頭を撫でた。



肉が薄くなってシワシワになったその手が少し怖かったことを、今でも覚えている。






再び訪れた世界の終わり→



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作者名:椿 | 作成日時:2022年5月17日 23時

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