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9 不審者 ページ9
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「先に行ってて」
とのことで無防備にも生徒にアパートの暗証番号を教え、放課後の職員会議に向かった先生。
待つのもおかしくて、足早に先生の家へ向かった。
「お邪魔します…」
悪いことをしている気分になりながら扉を開けると、ふんわりと優しい匂いに包まれる。
あの時と同じ、先生のあったかい感じ。
何も変わっていなくて安心した。
といっても他人の家で、何をしていればいいのかなんて分からない。
前回だって寝るくらいしかしなかった。
今は5時。あと2時間くらいで先生は帰れるんだろうか。
「…どうしよ」
ソファーの前に座って、窓の向こうでまだパラパラと散る桜を眺める。
その時だった。
「あれ、」
突然、寝室の扉が開いた。
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作者名：椿 | 作成日時：2022年1月12日 15時
